39暴走!
ナミは気がつくと、レオンに抱きかかえられるように、その場に倒れていた。
周囲に人間の気配が近づいて来て、慌てて起き上がる。
途端に、レオンの体が頽れた。
「レオン? レオン!」
ナミがレオンを抱きかかえると、その手がべっとりと赤い血で染まった。
よく見ると、レオンは血だらけで、青白い顔をして、ぐったりとしている。
「レオン? なんで・・・。レオン!!!」
ナミが呼びかけると、血の気のない真っ白な顔で、目を開ける。
「ナミか? ケガはないか?」
ナミは涙で前が見えなくなっていたが、そのまま頷いた。
「そうか、よかった。お前に、ケガがなくて・・・。」
レオンはそう言って、青白い顔で笑うと、そのままぐったりとなった。
「レオン。やだよ。何か言ってよ、レオン。」
レオンの体は、ぐったりしたままで、彼からは、ドクドクと赤い血が、流れ続けている。
「やだ。やだ、やだ、やだぁよぉー。」
ナミの血が、心臓に向かって、集まっていく。
気を失う寸前のレオンの中に、エネルギーの波動が変わった、ナミの意識が、なだれ込んで来た。
『ナミ?』
レオンは、動けないながらも、ナミに念話を送った。
ナミからは、まったく反応がない。
『おい、ナミ。聞こえているのか?』
レオンがナミの心を揺さぶった。
ナミが気だるい声で、レオンを呼ぶ。
『レオン?』
『くそっ、不味い。なんで、俺が死にそうになっている時に、トランス状態一歩手前になんか、なっているんだ。』
『ナミ!!!』
ナミの意識が、どんどんレオンから遠くなっていく。
レオンは、念話を送りながら慌てた。
このままでは、この状態で、この間の混血児村と同じ状態になってしまう。
レオンはナミの心に、直接、自分の心を繋げた。
失敗すれば、もう二人ともこっち側に、戻って来られなくなる、かもしれない。
だが、やらなければ、すぐに同じことが起きる。
レオンは、念話に自分の魂のエネルギーを込めて、ナミにつなげた。
『ナミ、答えろ。ナミ!』
心のどこか、遠くで、聞こえていたレオンの声が、急に、はっきり聞こえた。
目を開けると、真っ裸のレオンが目の前にいた。
『レオン!』
ナミの心は歓喜に震えた。
レオンが目の前にいる。
『レオン、よかったぁ。生きてた。』
レオンは、真っ裸のまま、大きな溜息をついた。
『今は大丈夫だが、このままだと二人とも死ぬ。いいか、よく聞け、ナミ。お前は目覚めたらすぐに、ここから瞬間移動するんだ。場所は、混血児村もしくは俺の城のどちらかにだ。出来るな。』
ナミは頷いた。
『よし、じゃ、すぐに行動するんだ。』
ナミは、その後、ハッと目を覚ました。
周囲を見ると、血走った、目をして駆け寄ってくる、人間たちが見えた。
ナミは、深呼吸をして、大きく息を吐くと、肩の力を抜いて、見慣れた混血児村をイメージした。
そして、すぐに瞬間移動をした。
人間たちは、撃とうとしていた人物が急に消え、銃を持ったまま、周囲をキョロキョロと見回した。




