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27ミッション1-赤毛の美女キーラ

 ナミはレオンに例の如く、小脇に抱えられると、古代遺跡の中で最上級の寝室に連れ込まれた。

 部屋に入ると、透明度の高いクリスタルが頭上で輝き、部屋のベットは、前世で言うウォーターベッドだった。

 レオンは、ナミをベッドに放ると、浴室に行ってしまう。

 ナミは慌てて、ベッドから降りると、部屋の中を見回した。

 頭上には輝くクリスタル。

 他にも、壁には間接照明用の淡い色のクリスタルが、テーブルやベッド脇に、取り付けられていた。

 壁に備え付けられている、アンティークガラスが嵌めこまれた、しゃれた戸棚の中には、食堂にあった紫炎ザクロのワインと、なぜかナミがさっき飲んだのと同じジュースが入っていた。

 ナミは、そこからきれいにカットされたワイングラスと紫炎ザクロのワインをテーブルに置く。

 しばらく、ソファーでぼうとしていると、浴室のドアが開いて、レオンが出てきた。

 おそるおそるナミが見ると、レオンは何故か城でよく見る全裸ではなく、下にぴったりしたズボンを穿いていた。

『あれ、なんで全裸じゃないの????』

 ナミの疑問をよそに、レオンはテーブルに置かれたワインに気がつくと、喜々としてソファーに座ると、そのワインを飲み始めた。

「そう言えば、ナミは入らないのか?」

 レオンに言われてハッとすると、ナミも慌てて、浴室に向かった。

 浴室のドアを開けると、中は露天風呂仕様になっていた。

「なにこれ?」

「前の御主人様要望の露天風呂仕様です。」

 ナミは浴室に、コンの声が響いて、ビックリした。

「ちょっと、まさか浴室の中を見てるわけじゃないよね。」

「画像認識用のカメラは、設置されていませんので、そこでは、音声のみしか拾えません。」

 ナミは、コンの説明に、ホッとした。

「そうよかった。でもこの景色はすごいわね。本物みたい。」

「他にもいろいろ取り揃えてあります。」

「ふーん、そうなんだ。ちなみにどんなのがあるの?」

 ナミがお湯に浸かりながら、質問すると、スクリーンが次々に変わる。

「ふーん、この大きなお風呂には、富士山の雪景色かな。」

「畏まりました。」

 結局いろいろ見せてもらったが、最終的に富士山に落ち着いた。

 ナミはゆっくり浸かってから、体を洗うと浴室を後にした。

 戻ると、珍しくほんのり赤くなったレオンがいた。

 レオンはナミが浴室から出てくるのに気がつくと、つかつかとナミの傍に歩いてくる。

 そして、ナミを抱きかかえると、ベッドに運ぶ。

「えっ、ちょっと、レオン。何考えて、ちょっ・・・なに・・な・・・。」

 レオンがナミの上に覆い被さってきた。

『うそーーー。きゃぁー。うそ・・ウソ・・うそぉー・・・。』

 レオンの美麗顔がナミの目の前に、ドアップで迫ってくる。

「ナミ。」

 きれいに筋肉のついた、上半身裸のレオンが、ナミに迫ってきた。

『えっ、これって低層いや、貞操の危機ってヤツ。うそぉー・・。』

「ちょっ・・・ちょっ・・ちょっ・ちょっちょっちょっと、待ったぁーー。」

 ナミがレオンを前に押しやろうとすると、そのままレオンに押し倒された。

「レオン。お願い心の準備が・・・。」

「・・・・。」

 ナミがレオンの下でじたばた騒ぐが、レオンからは全く反応がなかった。

「あれ。レオン???」

 上にのしかかっているレオンからは何も反応がない。

 ナミがなんとかレオンの下から這い出して、見ると

「ちょっ、寝てるって、どういうことよ。人を襲っておいて、いや、襲われたかったわけじゃないけど。けどちょっと、寝るって酷いじゃない。」

 ナミは訳の分からない感情に、しばらく眠れなかった。


 さわさわさわさわ サラサラサラ

 チュンチュン チュンチュン チュンチュン チュンチュン チュンチュン チュンチュン


 鳥の鳴き声と小川の音に目を覚ました。

 見ると、すでにキチンと洋服を着たレオンがそこにいた。

「ナミ、起きろ。食べたら城に戻るぞ。」

 レオンがナミを急かす。

 ナミはムッとしながら、洋服を引っ掴むと、浴室に向かった。

『誰のせいで、よく眠れなかったと思ってるのよ。』

 とりあえず、着替えて部屋に戻ると、レオンが待っていた。

「すぐに食事を済ませろ。終わり次第、城に向かう。」

 レオンはそれだけ言うと、食堂に向かった。

 ナミも慌てて、レオンの後ろから階段を上げる。

 食堂ではすでに、みんなが紫炎ザクロのワインで、朝食を始めていた。

 ナミも厨房に行くと、昨日と同じように戸棚からお米を出すと2カップセットした。

 おかずはコンに聞いて、梅干しはなかったが、なんとキュウリ漬物と卵があつたので、卵焼きを作った。

 ふかふかごはんを皿に盛って、卵とキュウリの漬物を添えると、席に座って食べ始めた。

 パンも嫌いじゃないが、前世日本人だったナミには、やっぱり朝はごはんが一番だ。

 食べ終わって横を見ると、すぐ隣にいたレオンが何やらシーバスに指示をしていた。

「レオン。食べ終わったよ。」

 ナミはシーバスに指示していたレオンに、横から話しかけた。

「わかった。取り敢えず、出発の準備が出来たら、外に来い。城に向かう。」

 レオンはそう言うと、グレイと外に向かってしまった。

 ナミは一旦部屋に戻ると、コートを着て、腰に剣を指すと、通路に出た。

 コンからエレベータを使うかと聞かれてので、階段を使うというとちょっと不貞腐れたような声で了解と答えがあった。

 理由を聞くと、たまに使わないと、メンテナンスが大変だからと返された。

 じゃ、他の吸血鬼に使わせたらと提案すると、これは御主人様専用だから駄目だと返される。

 なんだかおもしろいなと思っているうちに、階段を登りきり、外に着いた。

 建物の外に出ると、思った以上に、風が冷たかった。

 外にはレオンとグレイ以外に、この間グレイに選ばれた精鋭部隊の三人がいた。

 レオンがナミに声をかけてきた。

「準備はいいか?」

 ナミは頷いた。

「じゃ、最速で城に向かう。」

 レオンはそう言うと、上に浮かび上がった。

 ナミも慌ててレオンに続く。

 他のグレイ以下三人も後に続いた。

 六人はひたすら城を目指して飛んだ。

 最速だったせいか、すぐに眼下に城が見えてきた。

 城の中庭に降りると、執事長のクロウと何人かのメイドがレオンの出迎えに中庭に出てきた。

「「「おかえりなさいませ、御主人様。」」」

 全員が礼をしてレオンを迎える。

「ご苦労、何か変わったことはあったか?」

 クロウがレオンの問いかけに、背筋を正すと答えた。

「はっ、婚約者のキーラ様がお見えになっておられます。」

『婚約者、レオンって婚約者がいたの?』

 なぜか胸が痛くなるようなショックをナミは受けた。

「キーラがか?今年はやけに早いな。まっ、ある意味、手間が省けたか。」

「はっ、なにかおっしゃいましたか。」

「いや、なんでもない。ところで、今はどこにいる。」

「一応、賓客室にお通ししました。」

「そうか、わかった。」

 レオンはそう言うと、呆然としているナミを連れて、自分の寝室に向かおうとした。

「すぐに、お会いにならないのですか?」

「ああ、後で行くから、クロウ、お前が相手をしていてくれ。」

「はっ、ですが・・・。」

 クロウが慌てて、レオンを止めようとするが、レオンはそれを無視する。

 ちょうどその時、前の通路から赤毛で巨乳の超絶美女が現れて、レオンを見つけると、飛びついて来た。

「レオンさまぁー、キーラですぅー。」

 レオンは避けるのを諦めて、その美女を抱き留めた。

「キーラ、なんでお前がここにいる。」

「そんなつれないことを言わないで下さい。今年も魔国で”白の舞踏会”がありますので、お誘いにきました。今年こそはキーラと踊って下さいませ。」

 キーラはその豊満な胸を、レオンの筋肉質な胸板に、擦り付けるように、抱き付いて、おねだりする。

 レオンは抱き付いてきたキーラにうんざり顔で、彼女の体を抱き上げて、横に退けると、

「わかった。今年は行こう。話は夕食で聞く。」

 レオンはそれだけいうと、ナミを小脇に抱えると、寝室に向かった。

 後ろから巨乳美女の叫び声が聞こえた。

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