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25 新たな情報

 食事後、混血児村の見張りは、コンに任せ、隊員たちは、各自部屋で休むことにした。

 レオンとグレイ、ナミの三人は、コンの案内で、書庫に向かう。

 書庫は食堂の二階下にあった。

 最初はコンに他の遺跡についての情報を、問いただそうとしたのだが、自分以外のものが、この土地で何かをすればわかるが、他の同じような遺跡についての情報は、何も知らないようだった。

 どうやら前に、この遺跡を休止状態にされた時に、その情報自体をその人物が、リセットしてしまったようだ。

 ただし、コンに話を聞くと、まだこの遺跡の中に書籍として、その情報は眠っているようだったので、三人はその情報があると言われた書庫に向かった。

 一応、機密扱いであった為、ドアは施錠されていたが、ナミが命じると、あっさり開錠される。

 部屋に入ると、そこには数冊の本が一列に棚に並んでいた。

 三人は、手分けして他の遺跡の資料を捜そうとしたが、グレイとレオンはすぐに断念した。

 書物に書かれていたのは、失われた文字だったのだ。

「なんてことだ。これ全部、題名が古代語で書かれてますよ。」

 グレイが題名を見ながら、ぼやく。

「中身もそうだ。」

 レオンも本の中を見て、お手上げ状態だというように、肩を竦めた。

 それに対して、ナミは片っ端から、題名を見て行った。

 なんとそこには、前世で慣れ親しんだ、日本語で書かれたものが並んでいたのだから。

 内容は美味しい料理の作り方から、この遺跡の建築詳細が書かれた設計図、備蓄目録といろいろあったが、この遺跡以外の資料は見当たらなかった。

「ねえ、コン。ここにはこの遺跡関連の資料しかないわよ。どこに他の遺跡の資料があるの?」

 ナミのこの言葉に、レオンとグレイは目を剥いた。

「「ナミ、これを読めるのか?」」

「うん、だって、これ日本語だもの。なんでレオンとグレイは読めないの?」

 二人は、ナミのこの言葉に絶句していた。

『『普通読めんぞ、古代語なんて。こいつは、どこまで規格外なんだ。』』

 ナミは二人の驚愕に全く気がつかず、不満タラタラでコンに詰め寄った。

「コン、あなたの情報は間違ってるわよ。だって、ここにある本は、料理の作り方とこの遺跡が建築された当時の詳細な設計図しかないわよ。」

「そんなはずありません。私の記録には、全ての情報は、その部屋に納められているとあります。」

 コンがそこを強調していってくる。

「ここに全てね。でも他に本はないし、うーん。おかしいなぁ?」

 ナミは棚を、もう一度見る。

「棚には”本当の料理とは?”その隣には”おいしい料理”次は”おいしい技術書”その隣には”せっけい図詳細”これしかないよ。でもなんで、こうジャンルがバラバラになって入ってるの。それにおいしい技術書ってなによ。技術が美味しいわけないし。」

 ナミが本を手に取って、中を見た。

 内容はクイズ本だった。

『なんでクイズ本が、おいしい技術書なの。』

 次に隣の料理本を手に取った。

 中身の最初のページには、”さしすせそ”の意味がのっていた。

 ますます意味がわからない。

 めんどうになって、そのまま目の前に、本を仕舞おうとすると、すかさず順番が変わると、コンが注意する。

「ダメです。順番を変えないでください。」

「なんでよ。これじゃ、本を捜し難いじゃない。」

 ナミがコンにくってかかると、レオンがぼそりと呟いた。

「よくわからんが、本の順番に何か意味があるんじゃないのか?」

「順番。だって今、私が言った順の何に意味があるの?」

「料理の”さしすせそ”にクイズ本。クイズならよく小学生の時、本の頭文字を読むとか?やったけど。まさか、頭文字に意味があるとかいう馬鹿な話はないよね?」

「ちなみに、本の題名の一文字だけ読むと”本おおせ”。」

 ナミは指を本の題名に沿って、指しながら声に出してみた。

「へっ、これって本を押せっていうこと。」

 ナミはそんな馬鹿なと思いながら、実際に本を押して見た。


 パンパカパーン!!!


 よく前世で聞きなれた音がした。

 途端、本棚が奥に引っ込んで、モニタールームらしきものが現れた。

 三人は目を丸くして、現れたその部屋を見た。

 ナミはこの馬鹿らしい仕掛けに、死ぬほど憤慨した。

「誰よ。このアホらしい仕掛け考えた奴は?」

 律儀にコンから回答があった。

「この仕掛けは、私を設計したプロフェッサーサトウが作りました。しかしもう何千年も前に亡くなられておられます。」

「ふん、そうでしょうとも。」

 ナミはプンすかしながら、部屋に中に足を踏み入れた。

 ナミが中に入ると共に、スクリーン画面が軌道し、前世で見慣れた典型的な日本人顔のおっさんが現れた。

「クイズ正解、おめでとう!さて何を質問したいのかなぁ。でも質問は日本語じゃないと答えないよ。」

 そう言って、画面の向こうからあかんべぇをする。

「コン。こいつが、もしかして君を設計した人?」

 ナミの質問にコンがすぐに答えた。

「はい、彼がプロフェッサーサトウです。」

 ナミは思わず、そいつを絞め殺したくなったが、本人はもう亡くなっているので、それは無理だ。

 諦めて日本語で質問をした。

<これ以外の遺跡の情報を教えて下さい。>

 ナミのこの言葉に、レオンとグレイは驚愕も顕わに固まった。

『『おい、古代語も話せるのか?』』

<ここ以外には、遺跡が後4つだ。>

 その声と共に詳細な古代の地図が現れた。

「ナミ、この地図はなんの地図だ。」

「古代遺跡のある場所見たいだけど、レオンにはそれがどこかわかる?」

 レオンとグレイがその地図と、今の地理を置き換えて、見ている。

「どうやら一か所は人間の国、もう一か所は青の国の北部、南側は赤の国の山脈沿い、最後が魔国みたいだな。この遺跡には何があるんだ?」

 ナミは今言われたレオンの質問を日本語にして、問いかけた。

<ここ以外の四か所の遺跡には、どんなものが装備されているの?>

 ナミの質問にスクリーン画面が変わった。

<一番最初に人間の国にある遺跡の詳細な内部地図が現れ、次にその中にある大量破壊兵器などの備蓄品が映し出された。>

 思わずうなりたくなるほどの大量な武器にナミは唖然とした。

<なんなの、この大量の破壊兵器は。一体何考えてたのプロフェッサーサトウ。>

<君もそう思うかね?>

<思うわよ。普通。>

<そうか、なら君はどうしたい?>

<この大量の破壊兵器を根絶したい。>

<本当にそうしたいかね。考えて見たまえ、これを使えば、君は帝王にもなれる。>

<そんなものになって、どうするのよ。普通が一番よ。あたりまえでしょ。>

<よろしいでは、君にミッションを与えよう。これをクリアーできれば、大量破壊兵器の根絶の仕方を教えよう。>

<先に根絶の仕方を教えなさいよ。>

<どちらにしろ、根絶するには、次に話すミッションをクリアーする必要がある。>

<いいわ言って見て。>

<まず、今から示す3つの遺跡を順に訪れ、中央にあるコントロールルームの中に入って、その機能を停止させればいい。>

<停止の仕方は、この遺跡を起動したのと同じやり方で起動させ、次にコントロールルームから、命令をすればその時点で、魔法は停止する。簡単だ。>

<簡単ね。言ってくれるね。わかった、やって見る。でもその地図古くて、場所がよくわからないんだけど。>

<携帯型通信機を君にあげよう。これでいつでもこの遺跡と通信できる。それを使って位置情報を掴み、場所の移動はこちらから指示しよう。>

<わかった。>

 ナミが承諾すると、コンソール手前のボックスが開いて、細い腕輪のようなものが現れた。

<腕につけて。>

 ナミはその腕輪を手に取ると、腕に装着した。

<どうやって、使うの?>

<腕を振って見なさい。>

 ナミは素直に腕をくるっとふると、腕の表面に画面が現れた。

『すごい、かっこいい。』

<あとはテンキーを打つか、音声で尋ねれば、その都度答えよう。>

 そう言うと、プロフェッサーサトウは、最初に向かうべき、遺跡の詳細情報を提示した。

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