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23 遺跡の隠された力

 レオンは、遺跡に敵の位置を認識させて、それをマップ上に表示させると、一通りそれを眺めた。

 できれば敵に、この古代遺跡の存在を隠したまま、この場所より、撤退させたいが、この数では無理そうだ。

「すごい、何この数。」

 ナミがマップ上に印された点に目を丸くする。

「ここには、どんな武器があるんだ?」

 レオンの質問に遺跡がたんたんと答えた。

「魔法火炎放射器、魔法銃、収縮魔法レーザー・・・・・。」

 物凄い数に、聞いているナミの方が唖然としてしまった。

『なんなの。このすごい兵器は、いったい何のために必要なの?』

 隣を見るとレオンが聞きながら、溜息をついている。

「どれもすごいが、敵を狙うとして、出来るのか?」

「敵と言われるのが、この建物の外で動くものであれば、全部ターゲットです。」

 レオンがこの言葉に、敏感に反応した。

「ちょっと待て。その言い方だと、動いているものは、すべて標的にすると、聞こえるんだが。」

「はい、動くものと動かないものの区別しか出来ませんので、動くものは、すべてターゲットにします。」

 今の言い方だと、動けば味方も、もれなく標的になってしまう。

「俺が今から言う標的を除外できるか?」

「動くものをターゲットより、除外するのは無理です。」

「はっ、なんてデタラメな兵器なんだ。これじゃある意味、なんの役にもたたないじゃないか。」

『さて、どうするか。』

 レオンが考えていると、横でナミが話し始めた。

「じゃ、動くものを、動かなくさせる武器とかはないの?」

「それなら、体を痺れさせる麻痺ガスと眠らせる催眠ガスがあります。」

「持続時間はどのくらい?」

「麻痺ガスで痺れる時間は約二時間。催眠ガスなら丸一日は眠らせることができます。」

「丸一日だと。」

 ナミとの会話を隣で聞いていたレオンが、その話にくいついた。

 これなら、この遺跡の位置を隠したまま、奴らを撃退できる。

 しかし、この人数をどうやって、ここから運び出すかだ。

「ねえ、ちょっと不思議に思ったんだけど、この数の人間たちって、どうやって、この混血児村にやって来たの?」

「この遺跡近くにあいた、時空間を通って、現れました。」

「「時空間!?」」

 二人は思わずは、叫んでいた。

「はい、こことは違う遺跡の力を使って、空間を作ったものと思われます。」

「じゃ、あなたも同じように時空間を作れるの?」

「私には時空間を作る力はありません。」

「そうなの。出来ないのね。」

 ナミはがっかりしてしまった。

 時空間を自由に作れるなら、敵の本拠地に背後から攻め込めると思ったのだ。

「でも、作られた空間を強制的に閉じることなら可能です。」

「ちょっと、それを早く言いなさいよ。なら作られた空間を今すぐ閉じることは可能なのね。」

「はい、可能です。必要なら広範囲に渡り、時空間を作れなくすることも可能です。」

 答えと同時に地図が示された。

 見ると赤の国を全て覆う大きさだ。

「上出来だ。」

 思わずレオンが褒めていた。

 これで、背後から敵に攻めれらることがなくなる。

「じゃ、今すぐ時空間を・・・。」

「待て、ナミ。」

 ナミの命令をレオンが遮った。

「さっき言っていた催眠ガスを敵の人間に吸わせた後、時空間に奴らを放り込むから、時空間はその後に閉じるように命令しろ。」

 レオンの言葉に、ナミは頷いた。

『なるほど、これなら、万が一、味方が催眠ガスを吸ってしまっても、一日寝ていれば、目が覚める訳だし、被害がなくて済む。』

 レオンは、グレイに念話した。

『グレイ。』

『はい、レオン様。』

『お前はシーバスに案内させて、こっちの山側に来てくれ。着き次第、俺に念話しろ。それと今の風向きはどうだ。』

『風向きは、山側からこちらに向かっています。』

『よし、では直ぐに動いてくれ。』

『畏まりました。』

 グレイは念話後、シーバスを念話で呼びだすと、山側に移動を開始した。

「約30分後に、催眠ガスを流したとして、どのくらいで効果がでる?」

「この人数だと、二時間かかります。」

「よし、わかった。」

「ナミ、グレイたちが山側に着き次第、ガスを流せ。二時間後に、俺とグレイが中心になって、隊員全員で時空間に、奴らを放り込むから、ナミは一応、ここに残って、スクリーン越しに、動く敵がいないかどうか、確認しろ。万が一、催眠ガスが効いていない人物がいれば、俺に念話しろ。」

 ナミはしっかり頷いた。

 ナミとグレイが話を終えると、グレイから念話が届いた。

『レオン様。山側に到着しました。』

『わかった。風向きはまだ、変わっていないな。』

『はい。先程と同じです。』

『よく聞け。今から風下に向け、催眠ガスを流す。だから絶対に、そこから風下に向かわない様に、隊員に徹底させろ。それと今から二時間後、催眠ガスで眠った人間をまとめて、時空間に放り込むので、そのことも全員に説明をしておいてくれ。』

『畏まりました。』

 レオンは念話を終えると、催眠ガスを流すように、命令した。

「催眠ガスを流します。」

 言い終えると、スクリーンに白い霧が見え始める。

「この白い霧が催眠ガスか?」

「そうです。無臭ですので、動物にも感知できません。」

「なるほど。」

『グレイ。』

『はい、レオン様。』

『そこから見える白い霧が、催眠ガスだから気を付けろ。』

『わかりました。』

 ナミとグレイがスクリーンを見守る中、白い霧が広がると共に、バタバタと人が倒れていく。

「すごい威力だな。」

「この催眠ガスの威力は、従来のものに較べて、・・・・・・・・・・・・。」

 いきなり質問されたと思ったのか、長々と説明が始まる。

 レオンは最初、ほっておいたのだが、だんだん煩わしくなった。

「わかったから、解説はやめろ。」

「了解しました。」

「ところで、この建物から出たいのだが、どうすればいい。」

「後ろにあるドアノブに触れれば、外に出られます。」

「わかった。ちなみに、建物の中に入るときは、どうすればいいんだ。」

 頂上にある入口から、上部五階部分の移住区域のみ一般人でも使用可能です。

 しかし、今いるメインルームは、血族とその同伴者一名の入室しか許可出来ません。

「わかった。では後は頼むぞ、ナミ。」

 レオンはそう言うと、後ろのドアから出て行った。

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