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【トミー・ドリーマー】 外人選手視点

トミー・ドリーマー 27歳。



大きな瞳は猫科の猛獣を思わせる。豹。


薄茶色の肌。


193センチという身長はプロバスケットプレイヤーとしては平均を下回っている。



職業としてバスケットボールをやっている。



異質なのは、左目だ。


濁っている。比喩的な表現ではなく。


交通事故で左目に負った傷。視野の七割を欠損してしまった。


隻眼のプレイヤー。




「…ついに、桁が二つも下がっちまったか」


NBA時代の年棒7億から、僅か700万へ。たった2年で暴落もいいところだ。


唸るような金で抱けない女はなく、飲めない酒はなく、やれないことはなかった生活から月々の支払も滞る生活に戻ってしまった。


自己破産。



 この手でつかんだはずのアメリカンドリームは、幻のように消えてしまった。


愛してくれていたはずの妻も、金がなくなると共に去って行った。



将来を嘱望されていた筈のスーパールーキーは、瞬く間に本国から忘れ去られた。



中東のリーグを解雇された。


王族がオーナーとなるチームは、3連敗で外国人助っ人すべてを解雇、総入れ替えするという暴挙に出た。


もらえるはずだった1000万は消えた。


辞めさせられた時にソファーを包丁で切り刻んだ写真をツイッターにアップした為他球団からのオファーが止まり、相場が下がる。


解雇により相場が下がる。


更にロックアウトの性で世界的にしじょう価格が暴落してしまうことも逆風が吹いている。



借金を返す為にも、日本へ行くことに。




部屋からは荷物を投げ出されていた。



スカイプでエージェントのテリーと相談する。



もうずっと闇の中を彷徨っている。


ギロギロとした眦は猜疑心に満ち溢れている。



「なあドリーマー、お前日本に行く気はないか」


「…日本に、プロリーグなんてあるのか?」



「・・・あるんだよ、給料は安いが」


「日本ってのは金持ちじゃねえのか?」


「残念ながらバスケのマーケットは小さい」


「信頼できるところだ、金払いの面でな」





「リーグの特徴としては小さくて速い」


「パワープレイに対して審判の笛がやたらと鳴る。そのせいでセンターが活躍しづらい」


「ドリーマーお前みたいなスウィングマンやシューターが重要になるリーグだ」


「日本人選手保護の為に外国籍制限がある」



「お前にぴったりのチームがあるんだ」


「フクオカって街に」



(fuckokaか、イカれた街かね)



<ネバー ネバー ネバー サレンダー>


左目がやられている為、右にしか抜けない。不利なはずだが、圧倒的な運動力で



<初練習・プレシーズン>


スピード、ドリブル、シュートの個人技には舌をまかれるものの、左目が見えないことでチームプレイに支障が出る。


放出候補に上がるが、話題先行で使わせることに。


宇佐、加納話し合い解決策を探る。




<5つの誓い>


「フライングワイルドキャッツ!バスケットボール5つの誓いー!!」


「エンジョイバスケットボール!」


「エンジョイバスケットボール!」


「エンジョイバスケットボール!」


「エンジョイバスケットボール!」


「エンジョイ!バスケットボオォール!!」



「バスケを楽しめ!全力でだ!!」


「苦しい時こそバスケを楽しめぇ!!」









<アイパッチ>



ドリーマーは信じられない光景を目の当たりにした。


「うわ、こらちかっぱ見えにきーわ」


全員がアイパッチをしていた。


理解出来ずに、通訳に助けを求めた。


「みんな、一度お前がどれだけ大変か身を以て体験しようとやってみたんだ」



「どのタイミングでパスだせば見やすいんだ?」


「みんなもっと声だそうぜ!ドリーマーがわかりやすくなるよるように」


アイパッチをつけて練習を始める選手たち。


ドリーマーの心の中にじんわりと暖かなものが溢れ出す。



この日の練習で、選手たちは多くのミスを犯した。


だが、それ以上に大切なモノを得た。


(自分は幸せものだ)


ドリーマーは感謝した。



<夢を叶える男、夢を魅せる男>



<エアロダイナミック>


人間離れした跳躍力で空中を支配する。NCAAスラムダンクコンテスト入賞者の面目躍如



<イグジット ライト/イントゥダークネス>


欠けた視野、視えぬ姿、それでも感じる気配。


左。


左だ。


左からこじ開けた。


ーーーカンが戻って来ている。



視えないまま、ただ感覚のままに切り裂いた。


事故から2年目、試合へ出続けたことが感覚を鋭敏にした。


イケる。確信。



闇は怖くない。


踏み出した先には



<ロックアウト解除!選択せよ!>


NBAのロックアウト解除。


非公式ながらオファーが届く。


金か…仲間か…


中国から5000万のオファー。(上海のチーム、目玉だった現役NBA選手がロックアウト解除で帰国した分の穴埋め)


「いつまで夢を見てるのよ!


現実を見なさいよ!」


ドリーマーをなじる元妻。中国に行き5000万の報酬に行くなら複縁すると迫るが、


「俺は、このチームに恩がある。


恩を返さないといけない、返さないと俺は俺じゃなくなる」


断固拒否するドリーマー。




<デイビス>


「いるんだなあ、こんなヤツ」


キス・リムができるデイビスに感心する。


218センチ、更にジャンプ力100。


「2世代暗い前ならNBAに入れてただろうな、あいつ」



「ずっとバレーをやってたんだ」


それがジャンプ力の秘密。



<ウルトラミラクルスーパーハイスピード>


金沢にドリーマーより早いプレイヤー。


163センチの黒人選手。


スピードもだが何よりクイックリリースの超速シュート。


日本人選手のお手本として金沢が取った。


口も早い。



<サクセスストーリー>


「年棒7億時代は…逆に自分を見失っていたかもしれない」



極貧のこども時代。


母子家庭で育ち、プロスポーツ選手となる為だけに生きてきた。




<オールスターで一皮向ける>


bjのトップレベルの中で苦戦。


このチームならNBAにもチャレンジできるな。





<スラムダンクコンテスト>


エアロダイナミック


ジャンプ力98センチ。


日本人選手のパフォーマンスに敗れるも準優勝。



<センス オブ ワンダー>


「カンタンにセンスとか才能って言葉を使って諦めるんじゃねえ!」


「単純な努力だけで上に這い上がれるなんて思うんじゃねえ!」



努力プラスアルファの創意工夫を強調。



<練習教材>


大学のスポーツ学部がドリーマーを密着取材。ばすけの教材作成に。





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