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プロローグⅢ

原作はこれで最後です。

ですが、想武伝はまだまだ続きます!!!

この話の続きは想武伝の4話からとなります。

プロローグⅢ 家族

那津は神院に見送られた後、琴羽がいる教室へと向かった。


「琴羽、委員会終わった??」


那津は教室の扉から顔を覗かせた。

すると琴羽は帰る準備をしていたが顔を輝かせて那津の元へと来た。


「もう帰れるよ♥ごめん、もう少し待ってて?」

「仕方ないなぁ、廊下にいるから。」


那津はちょっと笑うと荷物を持って窓の方へと向かった。

那津は窓から校門を見て少し苦笑いした。


(気持ちは嬉しいよ。でもアタシはその気持ちに答えられない。こんな中途半端な気持ちじゃ相手に悪い。)


那津はそこまで考えたが頭を振った。


(ちがう、アタシはほかの人が気になっているんだ。だから男子たちを倒しているんだ。)


〈お前はそれでいいのか?〉


「えっ!?!?」


那津しかいない廊下から聞いたことのない声が響いた。

那津は周りを見渡したがやはりそこには誰もいなっかった。


「何、今の...」


那津は首を傾げた。

そこへ琴羽が現れた。


「なっちゃぁーん!!!!!!!!」

「どわぁ!!?」


―ゴン!!―


琴羽は那津に突進し抱きついた。

那津は急に突進されたからなのか琴羽を支えきれず、壁で頭を打ってしまった。


「琴羽、分かったから!!とにかく離れて!!」

「えぇ!?早くなっちゃんと帰るために頑張った琴羽をそんなムゲに扱うの!?」

「頑張ったって帰る用意するだけじゃんか!!」


琴羽は頬をプクッと膨らませた。

那津は琴羽の膨らんだ頬を押して空気を抜いた。


「ほら行こ、アタシも琴羽も父さんに呼ばれてるんでしょ?」

「あ、そうだったね。なっちゃんパパ怒ってるかなぁ?こんなに遅くなっちゃったし。」

「まあ、いけると思うよ。多分また変な趣味で儀式とやらをするんだって。」


那津の父、九条くじょう 保尊やすたかは42歳で道場の師範代を勤めている。

娘の那津と琴羽と妻の九条くじょう はるをこよなく愛している。

琴羽については娘同然に可愛がっている。

しかし世の中そんな完璧な父がいるはずもなく、九条父にも欠点があった。


それは変な趣味、儀式をすることだ。

別に仏もキリストも信仰しているわけでもなく、ただ変な文字を書いてその中心で札のようなものを家宝の刀で切るという儀式をするだけ。

九条母によると九条父の父、九条くじょう たけるが九条父に教えてたそうだ。



―帰宅時―


高校から出ているバスを降り帰る道を歩いていると、古くからある家が集まっている場所まで来た。

ここ周辺は明治時代より昔からあるところで、とても静かだ。

ここには那津と琴羽の家もある。


「二人とも遅いぞ!!」


那津と琴羽を出迎えたのは那津の父、保尊だった。

道場から戻ってきたばかりだったのか、道場姿で少し汗臭かった。


「ごめん。」

「すみません、委員会で遅くなりました。」

「学業に励むことはいいが、言いつけは守るように。」


家の奥からトトトッと上品な足音が聞こえてきた。

足音の主は和服姿の那津の母、春だった。


「二人ともお帰りなさい。奥にお茶と和菓子を用意しているわ。」

「春さん、今はだめだ。」

「あら何故?」

「今から儀式をするから...」


九条母は九条父の言葉を遮った。

いつもおっとりしているが、こうと決めたことは絶対に曲げない。


「今から3人でお茶を飲んで和菓子を食べてゆったりするの。」

「3人?4人の間違いじゃないのお母さん?」

「ううん、那津と琴羽と母さんの3人。」

「え...春さん俺は??」


九条母は九条父の顔を見て、ニコッと微笑んだが


「保尊さんは道場で修業ね。」


と、言った。


「春さんーー!!」


九条父の悲しみの叫びが家に響いた。

九条父の顔は悲しみで蒼白になっていた。


「お母さん私、儀式する服に着替えてくるね。」


父も母もどちらも意見を曲げることがないことを那津と琴羽は知っていたから、

今日は気の毒な父の味方に付くことにした。


「あ、私も一旦帰って着替えてきます。」

「え、そう?遠慮しなくてもいいのよ?」

「いえ大丈夫です。」


那津は自分の部屋へ戻り、琴羽は家へと帰った。


「保尊さん、とうとうなんですね。」

「あぁ、那津と琴羽が選ばれし者なら俺には出来なかったことを成し遂げてくれるはずだ。」

「せめて今だけでもゆっくりしてほしかった。何故あの子たちが選ばなければならないのですか... 二人は大丈夫なんでしょうか?」

「その気持ちだけで十分さ。あちらにいけば父さんが何とかしてくれるはずだから大丈夫だと思うが...」


春は保尊を心配そうに見上げた。

保尊は春を安心させるように春の肩を抱いた。

そして、ここにいない己の父へと思いを馳せた。


(どうか、那津と琴羽をお願いします。俺たちが出来るのはここまでです。もし二人に何かあれば恨みますよ父さん)


保尊と春の思いを知らない那津と琴羽は儀式の準備をしていた。



ありがとうございましたm(_ _)m

伊藤の失態でご迷惑をおかけしました(・_・;)

この後は「想武伝」の第四部「琴羽の恋心」に続きます。

本当にご迷惑をおかけしましたことを、

心からお詫び申し上げます。

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