朝焼けよりも先に
掲載日:2026/03/23
私は朝が弱い方だ。だから今日もギリギリの時間に起きて、ギリギリに家を出る。
テーブルに用意されてる味噌汁とご飯を食べる。まだ湯気がたったままだ。いいって言ってるのにいつも作ってくれるのが、なんだかんだ嬉しい。
急いで電車に乗り込む。良かった間に合った。一応、一本早いのに乗ってる(定期的にやらかすから)けど、このタイミングはいつもドキドキする。
駅から大学まで、早足で歩く。教室に着くと、人だかりができていた。
「わー、可愛い」
「こういう雰囲気も良いねぇ」
なんだろうと近づくと、悠理の声が聞こえた。私の、好きな人だ。
「あ、ひばり。おはよう。今日もギリギリだね」
なんでもない風に言うけど、その髪はいつもと違う。いつもはその長い髪を高く結い上げているのに、今日は肩に届かないくらいの短さでハーフアップにされてる。
「え、それどうしたの」
「えへへ。驚かせたくて」
ああ、やってしまった。今日だけでも、早く起きればよかった。私が一番に見たかったのに。一緒に、住んでいるのに。




