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第12話「深夜の練り消し研究」
俺は自称天才エンジニアである。
昨夜。
練り消し事件は
まだ終わっていなかった。
娘は机に向かい、
練り消しを見て言った。
「研究する」
……研究?
娘は消しゴムを削る。
混ぜる。
練る。
また削る。
机の上には
削りカス
粉
謎の粘土状物体
完全に
実験環境
である。
俺は聞いた。
「何してるの?」
娘は答えた。
「ふわふわにする」
どうやら練り消しには
・普通
・ふわふわ
という
上位仕様
があるらしい。
娘はひたすら練る。
潰す。
伸ばす。
丸める。
完全に
試行錯誤ループ
である。
数分後。
娘が言った。
「できた」
俺は見る。
見た目は普通の
練り消しだった。
俺は聞いた。
「何が違うの?」
娘は言った。
「ふわふわ」
俺の結論ログ:
評価者が本人だった。
研究というものは、
外から見ると
だいたい
違いが分からない
ものです。
ただし、
研究者には
ちゃんと違いが見えています。




