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日常

 この世界に転生して3日、分かったことがいくつかある。

まず、俺の名前はロート。16歳で、まだ婚約者は居ない。そう、つまりまだカメリアには会っていないということである。ただ、あまり男に興味がなかったせいで、ロートとカメリアがどうやって婚約したのかがわからねえ。

これは、詰んだのでは...?

まあ、いい。まだ俺には乗り越えなきゃならねえことが山ほどある。言葉遣い、態度、食事の仕方、勉強、乗馬・・・。これらをもとのロートレベルまで戻さねえ限りカメリアに会っても婚約者まで持っていけないだろう。無謀だが、やるしかない!


 俺の一日は執事に起こされるところから始まる。身支度を済ませ、食堂へ向かう。食堂には父、母、弟が集まり、全員で食事をとる。ここで話過ぎるのは厳禁だ。今の俺は口が悪すぎて、一瞬でボロが出る。この間なんか・・・

「ロート最近の調子はどうだ?オルシアから話を聞いて父さんも心配しているんだ。」

オルシア...?よっしゃ!母親の名前だ、と気を抜いたのが悪かった。

「調子?別に変わんねえけど?」

「・・・・。」

?なんだ?なんでこんなに会話が続かない?

ここで初めてやらかしたことに気づいた。

「いいいや!大丈夫だよ!ありがとう!心配してくれて!」

俺は慌てながらそう言った。しばらくはみんな困惑しているようだったが、あの時は何とかごまかした。

そんなことがあったせいで、発言するのには細心の注意を払わなくちゃいけなくなった。

何か言われたときは「ああ?」ではなく「なに?」だし、返事も「わかった。ありがとう。」とにこやかに返さないといけない。クッソ~マジでめんどくせえ。俺は心の中でそう思いながら最小限の会話をしていた。


 食事が終わったら勉強や作法なんかを学ぶ時間になる。これがとにかく憂鬱だ。講師が来て勉強を教えてくれるのだが、マジでわからん。作法の時間も、執事から注意されっぱなしだ。見慣れない服に「なんだこれ?」といった瞬間に絶叫が飛んでくる。姿勢は崩した瞬間正され、馬から落ちようもんなら「しっかりなさってください!!これから国の王ともなる人が馬に乗れないなど・・・」と説教され、すべてが終わって部屋に帰るころには限界を迎えそうである。

ただこれもすべてカメリアと婚約するためだ!絶対に乗り越えてみせる!

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