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雪待月  作者: 藤泉都理
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記憶喪失の男性




 記憶喪失の男性を拾った。

 曲がりくねる大量の髪と髭で顔の輪郭すら見えず、だぼだぼの深緑色のつなぎ服を着ていた。

 何か手がかりはないか。

 交番に連れて行くと、警官がつなぎ服のポケットから一枚の紙を発見した。

 真新しい紙に記されていたのは、日本のどこぞの住所。

 警官が調べてみると、今はひとっこ一人いないはずの廃れた村だった。


 ありがとうございました。

 溌溂とした警官にあとは任せて、交番を後にした。

 じっと見ている記憶喪失の男性の視線に気づかないまま。











「ここは、どこだ」


 アパートに帰って、買って来たおこわ弁当と昨日の残りのみそ汁を温めて食べて、近所の銭湯でひとっぷろ浴びて、その熱がほんの少し引いた頃に布団の中に入って、眠っていたはずだったのだが。


 気がつけば。

 縦横無尽に置かれた多くの蠟燭で照らされる、座敷牢の前に立っていた。

 しかも、記憶喪失の男性と一緒に。











(2023.11.10)




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