プロローグ
眩い光が立ち込めて、やがてその光は王国中を照らして消えて行った。天変地異の前触れだと人々は恐れた。
まさか言い伝えは真実だったのか?!
国王を始め、政治を行う貴族たちは危惧した。そして、
光の原因を速やかに調査するために騎士団を王国全土に派遣した。
古の言い伝えが正しいとしたら、光の瞬きの中から聖女が現れる。
教皇たち司祭は失われた権威の奪還を目指し、各地の教会へ聖女を探すように指示を出した。
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「気がついたかい?よかった。」
目が覚めると、穏やかな笑顔を浮かべた女性が私に声をかけていた。ひどい頭痛がする中、私はその女性を見つめる。目の色が澄んだ青色で、顔に刻まれた皺が笑い皺なのがいい。きっとベテランの看護師さんなんだろう。修道女のようなナース服とは珍しい。
頭の痛みとともに、私は直前の記憶を思い出す。心臓の痛みを堪えながら一人暮らしの部屋で意識を失ったのだ。病院に行く時間もないままに働き通す日々についに身体が限界を迎えたのだろう。
休んでしまった仕事のこと、治療費や入院費代を考えると気が重くなるが、自分の安否を親にも会社にも早く連絡しなくては。
「色々お世話になりました。ここはどちらの病院でしょうか」
女性にお礼を言い、あたりを見回すと、そこはアンティークな家具一色でやはり病院とは思えない場所だった。
女性は和かに微笑みながら教えてくれる。
「ここは私の孤児院さ。あんたは森に倒れていてね、私が見つけて連れてきたのさ。体調は大丈夫かい?」
私は東京で生まれ育ったため、森などとは無縁な生活をしていた。ましてや働いてからは会社で生活するような日々。状況が飲み込めないが、とにかく携帯電話と財布さえあれば大体のことはなんとかなる。
「今は頭が痛いんですが、さっきよりはマシになりました。あの、、、私の手荷物はそばにありましたか。」
「なかったよ」
私はどこに来てしまったんだろう。突如不安がのしかかる。
「部屋を出てみても良いですか?すみません。」
私は返事も待たずにふらつく足を動かして扉をあけた。
「まだ安静にしないと!」
後ろから先ほどの女性の声が聞こえる。
扉を開けると廊下が続き、明かりが漏れる場所がある。どうやらあそこが玄関だ。よろめきながらも私は出口を目指す。ここはどこだろう。




