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はじめてのキスは潮風の味がした

 ゆきうは、ぱんつを履いた!


「へっ? これが一番大事なの?」


 ゆきうは、ぽかんとした。

 わかってないようですねえ。

 ぱんつがなかったら、ぱんちらがないってことだよ?

 空には太陽、鴨にはネギ、美少女にはぱんちら。それが必要不可欠な関係ってもんだろ。


「わたらせゆは、ぱんつ見るのが大好きだからな」

「ユウはぱんつを見せておけば大丈夫」


 おいおい、ふたりとも……。

 よくわかってるね!

 ほんとそれ。

 

「これからは、ちゃんと下着をつけて生活するように」


 それが文明というものです。


「それでね、まあ、あれね。ちゅーだね」


 言わせんなよ、恥ずかしい。


「わたらせゆは、キスが好きすぎるからな」

「ユウはキスしておけば大丈夫」


 おいおい、ふたりとも……。

 好きなのは君たちでしょ?

 俺はつきあってあげてるだけなんだからねっ!


「ちゅー、かあ……。したことないんだよなあ……」


 ゆきうは、恋する乙女のような表情をした!

 これは、あいらんとしまんがしない表情ですねえ……。これはクるものがありますよ……。


「ちょっと恥ずかしいし、また今度……」

「――おい! ダメだよそんなの! 重要な儀式なんだから!」


 こんなにキスする気にさせといて、おあずけなんてとんでもないですよ。


「なあ、あいらん」

「んー? もうわからせてるわけだし、別に今すぐしなくても……」

「しまんはどう思う?」

「今すぐするべき」

「そうだよなあ!?」


 さすが、しまんはよくわかってる。あいらんはちょっとおバカなんだよね。しょうがないね。


「さあ、さあ」

「んー……」


 イヤじゃないけど、恥ずかしい……ということでしょう。もじもじとグーにした手を口元に当て、上目遣いでチラチラみてくる。

 ふーむ……イイね……。


「んむっ!?」


 俺から強引にキスしてしまった。

 いや、違うね。これは彼女が誘ってきたんだ。ったくとんでもない悪魔だぜ……。


「んん……」


 舌をねじこんだら、絡ませずに逃げた。往生際が悪いね。


「んぐっ……」


 頭の後ろを押さえて、ぐっと舌を入れる。どうよ、このイケメンムーブ。あいらんと、しまんと、毎日キスしまくってるからね。

 もしステータスがあるとしたら、武器も魔法もまったくだけど、キスのスキルだけは自信がありますよ。


「んふう……」


 はい、とろけさせました。

 背中を指だけでソフトタッチしながら、回転させながら舌を舐める技で。


「よし、わからせたな」

「いや、今のでじゃないっしょ……」

「さすがユウ。さすが」


 うん。しまんは賢いね。あいらんも見習った方が良いと思うよ。


「さて、これからの生活の話をしますよ」


 あいらんとしまん。三人との生活はこれで終わりだ。これからは四人暮らしになりますよ。

 住む場所、衣服、食事、風呂。そういった説明をしていく。


「で、人間たちとはお互いに助け合ってだね」

「んー。そこがなー?」


 人間大嫌いのゆきう。害虫だと思ってるからね。納得いかないのだろう。だが、俺は共存共栄を誓っている。ここは人間嫌いを直してもらわないと……


「アカネとか言うやつ、勇者として召喚したおにーさんに対して生意気だよ。ムカつく」

「それなー!」


 ほんとそれ。

 アカネはムカつく。間違いない。


「ぼくよりさ、アカネのクソアマをわからせたほうがよくない」


 ゆきうは正しい。マジで正しい。一番わかってるまである。


「わたらせゆは、あんなブスほっとけばいいって思ってるよ」


 なるほど、あいらんは俺のことを体だけじゃなく器が大きいと思ってるのだ。だからあんな取るに足りない存在はアウトオブ眼中ってわけ。一理ある。ま、ブスではないけどな。


「ユウは、ま、ブスではないけどなって思ってるよ」


 え? しまんは超能力者なの? それとも俺が考えてることが顔に出ちゃうの?

 いや、そういうことじゃないのよ。

 アカネ王女をわからせたところで、せっかく人間たちとうまくやってきたのが水の泡だろ。


「いや、人間はさ、ぱんつが作れるし」

「そんなにぱんつ大事なんだ」

「パスタだって作れるし。なあ、あいらん」

「うん。穀物はタイヘン」


 狩猟中心では、炭水化物を手に入れるのが一番難しい。現代日本だと一番安価に手に入るのが、穀物、布製品、紙といったものだが、その辺は悪魔が苦手としているものなんですよ。

 安価で手に入るってことは、生活必需品なわけで。人間とうまくやらなかったら、生活必需品が手に入らないわけで。


「人間たちは、これで悪魔たちからの恐怖と水不足が解消された。命の危険がかなり減ったわけだ。いろいろな進化が期待できる」

「はー。期待してんだ」

「まず水着がない」

「み、みずぎ……?」

「せっかくそこに海があるだろ。遊びたいじゃん」

「海で遊ぶ……?」


 混乱するゆきう。よくわからないが頷いている、あいらんとしまん。

 そもそも悪魔たちは個人での活動が普通で、一緒に遊ぶこともないそうだ。

 暑いとはいわないが、かなり暖かい気候なんだ。海に入らないなんてもったいないぜ。


「人間に水着をつくってもらう。他にもいろいろやってもらうさ。そのために人間のためになるものも用意していくぜ」


 異世界に来てやるべきことは、まだバトルでも内政でもなく。生活向上の段階だ。

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