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あの悪役三人組が、異世界転生したら…どうなる?!  作者: 麒麟
第1章 悪役三人組、異世界ワールドに初登場!
7/7

開戦! バタコvsフレイム・ウルフ

 ガガガガッ!! ゴロゴロゴロッ!!


 土煙をあげて、フッ飛ばされた「バタコ」が地面を転がっていく。


 しかし、すぐに「バタコ」の各スラスターがジェット噴射を開始した。

 激しい勢いのジェットが回転を止め…車体を安定させる。


 ただ、回転は止まったけれど――――「バタコ」の車内はグチャグチャだ。


「イテテテ……またフッ飛ばされたよ……。大丈夫かい? お前たち」


「―――な、なんとか……。お前は大丈夫か? ハンス?」


「あ、あぁ…。……この柔らかいクッションのおかげで、顔をぶつけずに済んだよ。―――でもちょっと薄っぺらくて、安っぽいクッション……だ……な…ぁ……?!」


 車内電力が一時的に落ちて、真っ暗な中声をかけ合う三人組。


 ヨロヨロと立ち上がろうとする時、電力が復旧した。


 「バタコ」の車内が明るくなる。


 散乱した荷物。折り重なっている、コニー、サムス、ハンス……そして、レイナ。


 ハンスの目の前にはレイナが倒れていて、その胸にハンスは顔を埋めて助かったらしい。

 今もその手は、レイナの胸にあった。


「――――う、薄っぺらい……?」


 喉の奥から絞り出すような声で、レイナがのしかかっているハンスを足蹴にしながら呟いた。


「うわッ!! わ、わ、わ、わぁッ! 誤解だよ誤解ッ! 僕はただのクッションだと思って!」


「――――安っぽい……?」


 みるみる、レイナのサラサラの金髪が逆立ち……魔力を帯びてバチバチと火花を放ち始める。


 そのレイナの、胸の感触が残っている手をブルブル震わせながら。

 恐怖と恥ずかしさと、年頃の少女の胸を触ったことに。

 ハンスの震えが止まらない。


「ごめんッ!! ごめんッ!! ゴメンッ!! 薄っぺらいとか、安っぽいなんて……ホント、ゴメー―――ンッ!!!」


 数秒後。


 「バタコ」の車内に電撃の魔術がさく裂した。


 ◇ ◇ ◇


 体勢を整えた「バタコ」だけど、車体には大きな凹みができていた。

 さすがに、フレイム・ウルフの巨大な体の突進を受けては、鋼鉄製のボディと言えども無事では済まないようだ。


「充電はどうだいッ!」

「――――行けますっ!」

「エンジンは?」

「……とりあえず快調っす!」

「アーム用オイルは?」

「大丈夫っす!」


 ロボットアーム担当のハンスは、髪をチリチリに焼け焦げさせたまま答える。


 後ろの席。

 リーダーのレディ・コンスタンスの隣には、ハンスを電撃で焼いて痺れさせた大魔法使い、レイナ・ストレンジ嬢が、色白の頬を真っ赤にさせ、腕組みしてプンプンと怒っている。


「砲撃準備ッ! 反撃に出るよッ!」


『合点・了解・アイアイサーッ!』


 体勢を整えた「バタコ」の左右から、金属製のロボットアームがニョキニョキと伸びる。

 戦闘用の金属の爪が、ガシャン! ガシャン!と音を立てた。


 対峙するのは、真っ黒な毛並みが美しい…巨大な狼。

 目を真っ赤にして、我が子の仇を取ろうと牙を見せている。


「バタコさえありゃあ、百人力ッ!! ブッ潰してやらァ!!

 オラオラオラオラァ――――ッ!!」


 運転手のサムスが叫び、馬力の強い「バタコ」の車輪をギュルギュルギュルッ!!と回転させて、一気に突進していく。


 魔獣に衝突するかと思いきや。

 巧みなハンドル操作で、「バタコ」の前輪を浮き上がらせて、ウィリーする。


 そして、後ろ側のスラスターがジェット噴射をしたかと思うと。


 「バタコ」は…一瞬にして空中を飛びあがり、フレイム・ウルフの巨体の頭上を――――飛び越える。


「今だッ!」

「あいよっ!」


 「バタコ」が大ジャンプをしている間、ハンスが操作するロボットアームが。


 ガチャンッ! ガチャンッ!


 音をたてて、フレイム・ウルフの肩に左右の手を食い込ませて、そこを支点にしてジャンプの軌道を変えていく。


「オオオオオォオオォォ――――ッ!!!」


 ロボットアームと、「バタコ」の操縦。

 巧みな連携によって、一瞬にしてフレイム・ウルフの背後に「バタコ」は着地した。


 おまけに、ロボットアームの左右の腕は、フレイム・ウルフの肩を握って離さない。

 至近距離での大チャンス。


「撃って撃って撃っておしまいッ! 『ダベェ団』の意地、見せてやんなァ!」


『合点・了解・アイアイサーッ!』


 そして。

 「バタコ」に1門だけ装備されている大砲から、集中砲撃が始まる。


 ドンッ!!


 ドンッ!! ドン、ドン、ドン、ドンッ!!!


 爆炎がフレイム・ウルフの頭部を包み、砲撃の地響きと爆風が―――森の木々を揺らした。


 ◇ ◇ ◇



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