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あの悪役三人組が、異世界転生したら…どうなる?!  作者: 麒麟
第1章 悪役三人組、異世界ワールドに初登場!
6/7

バタコ、発進!!


「よっし……充電完了ッ!」


 小型のプロペラが「バタコ」の頭上にまっすぐに取り付けられていて、それがブウゥン!と音をたてて風をうけて回転する。

 そこで発生させた電力を、「バタコ」の中の蓄電池に溜める作業が完了した。


 思ったより、ダメージは小さい。

 ボディの傷もある程度はあるけど、走行できない程じゃない。

 問題は…。


 とハンスが考えていると、少し離れた森から爆発音が聞こえてきた。


 ドォ――――……ッ……!!!


 黒煙が上がって、少しだけ炎も見える。

 爆炎らしい。


「何だい、何だいッ?!」

 寝ていたコニーが、寝ぼけた顔をハッチから出す。


「姐さんっ! まだ熱があるんですから、寝ててくださいっ!」


「ンなコト言ったって、今のは完全に爆発じゃあないかッ! そんなことがあるのに、大人しく寝てられるかってンだ!」


 首だけ出してるコニーは、モゾモゾ身動きをしていた。

 きっと、「ダベェ団」の衣装に着替えている。


「無理しないでくださいよぉ……姐さん」

「だいじょうぶ、だいじょうぶ!!」


 素早く、ハンスは干していた洗濯物を取り込んだ。

 伸ばしていた紐を回収。

 コニー専用のパラソルも、座っていたチェアも車内へ放り込み。

 運転席に座って、眠っていた「バタコ」の電源を入れる。

 すぐに、正面の壁に外の様子を映し出すモニター画面が表示された。


『バタコ、バタコ、バタコ、バタコ――――ッ!!』


 モニターに映ったのは、必死の形相で全力疾走し。

 腕には、可憐な赤いローブをまとった美しい少女…サラサラの金髪に、美しい白肌の細い脚。全体的に華奢で、まだ10代くらいの子どもを腕に抱えて走る……サムスの姿。


「―――とうとうロリコンに走って……誘拐でもしてきたのかい? サムスのヤツ…」


「いえ、どうやら違うみたいですぜ。姐さん。……ありゃあ、何かから逃げてる」


「逃げてる? ―――何からだい?」


「………す……すっげぇ……見たこともないくらい……デカい、狼……です……」


 ハンスが、モニター画面とは違う望遠鏡カメラを覗いていた。

 移っていた光景に、顔を青くしている。

 すぐにメインモニターにも、巨大な狼の姿が映り始めた。


「何だい―――あの化け物はッ! ……と、とと、とりあえず、戦闘準備!」


「合点・了解・アイアイサーッ!」


 ◇ ◇ ◇


 停車している「バタコ」の主電源が入り、稼働を始めている。


 全力疾走しているサムスにも、「バタコ」の主砲である小型大砲の砲塔が動き始めるのが見えた。


「あった―――――ッ! バ・タ・コ――――ッ!!」


「あれが……『バタコ』…なの?」


「そうだッ!!」


「……何……あの、ゴツゴツした……馬車…」


「馬車じゃない! バタコ……俺たちの味方だッ!」


 歓喜しながら、サムスがバタコへとジャンプ。

 ちょうど良いタイミングでハッチが開くと、腕に抱えたお姫様ごと……サムスはバタコの車内へと乗り込んだ。


「おかえりッ! サムス!」

「その女の子は何だい? 誘拐でも、してきたのかい?」


 バタコの車内にいた、コニーとハンス。

 サムスの仲間である2人を見て、目を見開いてレイナは驚いた。


「――――うわ、これが……お兄さん……サムスの仲間? ……あ…はじめまして~♪ 大魔法使いの、レイナ・ストレンジです♪ 魔術学院中学部3年の、15歳です♪」


「あ……よろしく……僕はハンスです」

「あぁ……よろしく…私は……レディ・コンスタンス」


 急に登場した、金髪色白美少女。

 その容姿にハンスも顔を赤くしてお辞儀した。


 でもコニーだけは、ブンブンと頭を振って我に返る。


「すっとぼけた事言ってんじゃないよッ! 今は――――戦闘中だよッ! 挨拶は、終わってから言いな!」


 直後。


 間近まで接近したフレイム・ウルフの黒い巨体が、バタコに体当たりした。


 ドガンッ!!!


 強烈な衝撃音と共に――――バタコが数十mもフッ飛んで、地面を転げまわる。


 ◇ ◇ ◇


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