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あの悪役三人組が、異世界転生したら…どうなる?!  作者: 麒麟
第1章 悪役三人組、異世界ワールドに初登場!
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逃げろ逃げろ逃げろ!


 レイナが魔法の箒で、飛び上がる。

 地面の上では、白スーツのサムスが慌てて駆け出して、元きた道を引き返す。


 そして、背後では林の間の暗闇から、巨大な獣が姿を現していた。


 漆黒の艶やかな毛並みをした、巨大な狼。

 その目は真っ赤な光を放ち、血走った眼球がギョロリと2人を睨みつけていた。


 その足元には、小さな小さな――――絶命した子犬の亡骸。


 我が子を殺された親犬の怒りは、歩むだけで地響きが鳴るほど。


「こんな……A級クラスの魔獣、相手にできないっ! 逃げてッ!」


 箒で上昇しながら、レイナが叫ぶ。

 その進行方向に―――急に、フレイム・ウルフの巨大な手が伸びてきた。


 まるで、飛んでいる羽虫を叩き落とすかのように。

 フレイム・ウルフの真っ黒な巨大な手が、レイナを魔法の箒ごと叩き落とした。


「ギャンッ!!」


 魔術で何か対抗しようとしたのだろう。

 杖を持って振り返ったレイナだったけど、素早いフレイム・ウルフの手に叩かれた。


 真っ赤なローブをヒラヒラさせながら、白い細い脚をパタパタとさせ……レイナが落下する。

 その華奢な体を、地面でサムスが受け止めた。


「……キャッチ!! ―――優等生さんが、危機一髪だったな!

 大魔法使いって自分で言うなら、どうにかしてみろよッ! まったく」


「わ、私はまだ学生なの! 中学部! あんなレベルの高い魔獣なんて、相手したコトないわよっ!

 勝てるワケ無いでしょっ!」


「……都合いい時だけ…子ども扱いしてほしいのかよ…」


 呆れ顔のサムスは、思ったよりも華奢なレイナの体をお姫様抱っこしたまま。

 全速力で、村道を駆けて戻っていく。


「(ヤバい、ヤバい! 追いかけてきてるぜェ!

 ……『バタコ』さえあれば!

 『バタコ』のところにさえ着ければ、あんな魔獣なんてェ…!)」


 赤いドレスの小さなお姫様を抱きかかえる、騎士のように。

 サムスは凄いスピードで森を駆け抜ける。


 大魔法使いで優等生のはずのレイナも、サムスの胸元をギュッと握りしめて……大人しくしていた。


「バタコ、バタコ、バタコ――――ッ!!!」


 叫びながら、サムスが駆ける。


 背後からは一軒の家のように大きな、黒い魔獣。


 胸元に抱きかかえられている姫は、怪訝そうな表情をする。


「……ねぇ……バタコって――――――誰? ……女の子……?」


 ◇ ◇ ◇


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