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あの悪役三人組が、異世界転生したら…どうなる?!  作者: 麒麟
第1章 悪役三人組、異世界ワールドに初登場!
2/7

孤立無援の異世界スタート!

 見上げれば、のどかな青空が広がっていた。


 かなり上空を、一羽の大きな鳥が…優雅に空を舞っている。


 快晴。


 そして……森の、清涼感溢れる心地よい風と、木々のざわめき。


「自然って…良いですねェ―――……。ねぇ、姐さん?」


 近くの川で洗濯をしていたハンスが、濡れた衣類をギュウッと絞った。

 水が、ボタボタと落ちていく。


 停車している「バタコ」の車体と近くの木の間にロープを張って、ハンスはそこに洗濯物を干していた。


「あぁ……良いもんだネぇ…」


 やる気のない、レディ・コンスタンスの声。

 彼女は今、停車している「バタコ」の車体の上に大きな日よけのパラソルを広げ、その下に横たわって冷たいレモネードを飲んでいた。


「――――戦いの中で荒んじまった心が、癒されるよ」


 長いまつ毛の目で、周囲を見渡す。


 「バタコ」の上で、視線が高くなっている分、遠くまで見渡せた。


 木々が広がる森の向こうには、小さな山がある。

 けど、人間が住んでいるような形跡は、無い。


 近くを川が流れているような、水音のようなものも聞こえている。

 けど、人間が住んでいるような形跡は、無い。


 レディ・コンスタンスたちがいるのは、森の中に少しだけ開けた小さな広場。


 背の低い芝生のような草が生えている。


 周りの木々もそれほど背は高くなく、枝も細い。


 だから、爆風で吹っ飛んできた「バタコ」が突っ込んでも、車体にそれほど甚大なダメージは無かった。


 だから、「バタコ」の中にある冷蔵庫から冷たく冷えたレモネードを出して、優雅にティータイムを楽しむことができている。


「……けど、姐さん。いつまでここで、こうしてるつもり、ですかい?」


「そりゃこっちの台詞だよ。―――一体いつになったら出発できるンだい!

 この日差しの中にずっといたら、日焼けしちまうってんだい。日焼け止めが何本あっても、足りやしないよ」


「…だとよ。ハンス。……出発はもうできんのかァ? 正義の味方にふっ飛ばされて、不時着して……。念の為に点検するって言ってから、かれこれ4時間は経ってるぜ?」


 運転席のすぐ近くのハッチを開けて、長い足をひっかけて。

 のんびりとした口調でサムスが言った。


「姐さん。サムス。……聞いてくれ。

 今僕たちが置かれている状況、ちょっとこれまでと何か違う気がするんだ。

 今まで、正義の味方にフッ飛ばされた後……僕ら、どうしてたんだっけ?」


「そりゃあ、ほら。アタシらが『覚えてろよー!』とか『お〜た〜す〜け〜!』とか、お約束の捨て台詞を残して……空の彼方にフッ飛んじゃう、て感じだろう?」


「そうそう。それで、どっかの山とか畑とか、海の上に落ちる前に、『バタコ』が姿勢制御システムってやつで逆噴射して、なんとか、無事に着地すんだろ」


 レディ・コンスタンス―――コニーとサムスが言う通り。

 これまで、この三人組が無事でいるのは全て「バタコ」あっての事なのだ。


「そうだ。でも―――その後が肝心だ。

 いつもなら、その後どうなってた?」


「いつもなら……そうだなぁ。ハンス、お前が『ダベェ団』本部に連絡して……」

「……回収班が来てくれて、『バタコ』を回収してくれたり、アタシらの面倒見てくれるンだよねぇ?」


「そう! こういう状況になったたきは、まずは『ダベェ団』本部と連絡を取り合わなきゃいけない。そうでなければ、僕らがこんなところで、こんな事態になっているなんて……」


「誰も…知らないって…こと?」

「そうだ」いつになく、真剣な表情のハンスだ。


「それじゃあよ!」

 ハッチに掛けていた長い脚を、サムが降ろした。


「本部に連絡すりゃあいいだけの事なんじゃねェの?

 だが……お前がそう言うってことは、もしかして、本部と連絡が取れねェって状況なのか?」


「そうだ。……我々は今、『ダベェ団』本部とも連絡が取れず、完全に…」


「……完全に?」


「孤立無縁状態なんだ」


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