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第74話 夏祭りデートその4

 

「そろそろ、花火が上がる時間ですね!」


 時間はすでに日没。

 射的を満喫した後、俺は大事そうにテディベアを抱える柏木さんに語りかける。


「確かにそうだな。アレクサンドル・ステイシー3世も見たがっているぞ」


 柏木さんはそんなことを言って、自分の顔の前にテディベアを持ってくると、まるで生きているかのようにテディベアの手を動かす。


「……ひょっとして、そのテディベアの名前ですか? ど、独特なネーミングセンスですね……」


「お前が私の為に取ってくれた大切なぬいぐるみだからな。ずっと忘れないように名前を付けたんだ。なぁ? アレクサンドラ……スタンリー5世?」


「全然、覚えられてないじゃないですか!」


 全く、柏木さんには(クマ)ったものだと思いつつ、俺は提案した。


「花火が良く見える場所に行きましょう! 中央の時計台広場はどうですか?」


 柏木さんは人差し指を左右に振って得意げな顔をする。


「山本よ、人が多いと風情に欠けるだろう? 中央広場よりも、どこか二人きりで見れそうな場所に行かないか?」


「えっ? でも、ありますかねそんな場所……どこも凄い人だかりですよ?」


「無いなら見つけるまでさ。こっちの路地裏の方を歩いていくのはどうだ? 人が居ないし、穴場があるかもしれないぞ?」


 柏木さんはそう言って横に振っていた人差し指で今度は細く薄暗い道を指さした。


「俺は構いませんが、あまり良い場所はないかもしれませんよ? 柏木さんも、慣れない浴衣で歩き回るのは疲れてしまうかもしれませんし……」


「それならそれで良いさ、疲れたら……そこらのホテルで休憩でもしよう。さっきお城みたいなホテルがあったしな! さぁ、行くぞ!」


 どうやら柏木さんの探索心に火がついてしまったらしい。

 柏木さんはすぐに細い道へと走り出してしまったので、俺は追いかける。


「柏木さん、走ったら危ないですよ!」


「あっはっはっ! 私を捕まえてみろ! それに、こんな場所を歩くやつなんて居ないから大丈夫――ギャフン!」


 柏木さんは、曲がり角で誰かとぶつかったらしい。

 その拍子に地面に落下したテディベアに柏木さんは尻もちをついて潰した。

 テディベアが羨ましいと思ってしまった瞬間だった。


「あぁ! アバンチュール・ストラトス8世!」


 もはや何の原型も無くなった名前でそのテディベアを呼ぶ柏木さん。

 しかし、テディベアは少し土が付いただけで平気なようだった。

 よくぞ柏木さんのお尻を守ってくれた、アッシュール・スミノフ2世。


 しかし、柏木さんがぶつかったのはガラが悪そうな2人組のアメリカ人男性だった。

 入れ墨が入っていて、いわゆるギャングという存在にも見えるが……

 こういう方々に限って意外と優しかったり――


「"おうおう、姉ちゃんやってくれたなおい! 今ので腕の骨が折れちまったよ!"」

「"どう落とし前つけてくれんじゃコラ!"」


 俺は内心で冷や汗をダラダラと流しながら、大慌てで柏木さんを自分の背中の後ろに隠した。

明日の投稿は長い&伏線が結構散りばめられておりますので、少し覚えておきながら読むと後々、より楽しめるかもしれません!


ぜひ、引き続きよろしくお願いいたします!

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