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第15話 いつか大舞台で


 ――放課後。

 ついに誰にもイジメられることなく俺は一日を過ごせてしまった。

 やはり2人でいるということはイジメ対策としてかなり有効なようだ。


「さぁ、流伽。帰るわよ」


 ホームルームが終わると千絵理は当然のように俺を誘う。

 普通なら土下座して一緒に下校することを頼み込むような美少女のお誘いだが、俺は首を横に振った。


「今日は部活があるんだ、文芸部に入ってて」

「そうなの? 文芸部……なら問題はなさそうだけど、一応聞いておくわ。私の助けは必要かしら?」

「大丈夫だ、イジメられてないよ」


 俺の言葉を聞いて千絵理は少し安心したように微笑む。

 遠回しな聞き方にも千絵理の優しさを感じた。


「そうだ、よかったら千絵理もウチの部活に入らないか? 毎週この日に活動してるんだ。みんな優しくて良い人たちだよ」

「残念ながら、私はほぼ毎日ピアノのレッスンがあるのよ。部活動には参加できそうにないわ」

「千絵理はピアノが弾けるのか、凄いな」


 改めて、なんで俺なんかと一緒に居ていただいているんだろうと思いながら俺は驚く。


「といってもまだまだよ。いつかは大きな劇場で弾きたいと思ってはいるけど、オファーなんて来るはずないし。今は地道に練習してコンクールで賞を取っていくしかないわね」

「千絵理ならできるさ。いつか、聞かせてくれよ」

「えぇ、約束するわ。それじゃ、また明日」


 一人で帰ろうとする千絵理を見て、俺は考え直した。


「――というか、そうだ。結局は送って行った方が良いよな……その、色々と危ないし。文芸部はその後に行くよ」

「知ってのとおり、私の家は学校のすぐそばだからその必要は――」


 そう言いかけて、千絵理は笑った。


「いえ、やっぱりお願いするわ」

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