砂浜に顔面を近づけました
10時40分
水平線、一文字
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小島を4つ乗っけている。
左右は山
大きなテトラポッドの極太横線、線と浜の中間でガードマンと化している。
左目に陽光が刺さった。いたい。
見下ろすと白波。ささーん ちゃぷーん
ぬるい風。
よーし行ってみよう。
石階段の先は……
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げげっ、水位が高い。
この時間帯は砂浜が沈むんだ。
まずは目線を斜め下。
波が石階段の足をナデナデする。
右から左へナデナデする。
目線をちょっと上げる。
白のあわあわがたくさん。
漂流ペットボトルが一個。
もう一度、目線を下げる。
涙+光の屈折=蜂の巣模様
波と蜂の巣を交互に描く、光のアートですよ。
顔、接近!
視界は石階段、そしてナデナデ波
耳はちゃぷちゃぷざーん
波が石階段のデコボコを浸して、ナデナデして、引く。その時、デコボコに合わせた波紋が生じるんですよこれが。
今度は沈んでいない浜へ。
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「ママー、変な人が丸くなってるよ」
「しっ、見ちゃいけませんッ!」
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◯砂浜2
おおっとぉ!
流木、空き缶、発泡スチロールの破片! そしてコンビニのストロー!!
石階段の途中からゴミだらけだぞぉー!
へい。釣り糸に緑の海藻片がカピカピ〜。
…
そんなことはどうでもいいッ!
波打ち際へゴー!
ざざーん
下を向く。
安定の貝の破片。極小木屑。
うわ。左目がまぶしい。
白と泥の波、いきり立って、のっぺり攻めて、戻る。
白い泡が砂に残されて、パチパチ空気を散らす。
さあ、もっと顔を近づけるのだ!
視界いっぱい、貝の破片、弾けるアワアワによる小穴。
くぐもった波音、泡のシュワシュワ
海の死臭、つーん。
靴が砂にめり込む、反発が少ない。楽である。
うねる白、ゆれる白、弾ける白。
すげーな。
下から波が上がってくる。迫ってくる。
ゴゴゴゴゴ、ギュキュキュキュ、ゴジャーン!
あ、やべ。
髪の黒が陽光の熱を吸ってる。あちい。ワシャワシャ。
消波ブロックに座る。よっこらしょ。
ここは砂浜と波の境界線上。
バックに白波、フロントに砂と石。
ザゴゴローン
グジャジャジャーン
ゴジョーじゃぷぷん
ごよごよグジャプーン
ちゃぷ。ちゃぷ、ザーン
と、スマホをガン見。擬音語をメモるのだ。
お、画面左に太陽だ!! ☀️
まぶし。この白ボールめ。
…
ケツがいたい。髪が熱い。飽きた。帰ろう。
あ、待て、忘れ物。
『味覚』
波に人差し指をのばし、白と先端、ちょん!
うわ砂までついた。
ええーい、作品のため!
ぺろ
げー ぺっ ぺっ
舌先がピリピリする。喉も。カァー!
くそう。
帰ろう。
石階段を戻り、
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水平線、一文字。