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⑵『思考についての、一考察』
⑵『思考についての、一考察』
㈠
思考しながら、風景を眺めていると、削れていく人生と、再生する人生が、見て取れる。考え過ぎは、良くないと、言われたこともあるが、やはり思考とは、何かを考えることに近いので、自分は此処が、文学の発生地だとも考えている。電飾の壊滅作用が、脳内で、明光に変わる瞬間である。
㈡
しかしまた、言葉を繋ぐことは、思考をそのまま文字にしていくことだから、考える前に言葉にするという行為が、随分と身に染みてくると、脳から言葉が消失していくので、言葉にせねばなるまい。思考についての、一考察は、こんな処にも、現出する訳である。
㈢
何かを書いていて、虚しいことはない。生産性があるからである。しかしまた、自分の人生の細部までを、暴く様な行為でもあるから、生きて行くことは、大変なことだな、と改めて思い直す。思考は、日常に彩りを与えてくれる。考察していると、思考が非現実から、現実に遣って来る。