ベスト・フレンド・エンド

桜がその花を咲かせていたことを、夏になれば人々は忘れてしまう。
誰もが足早に、アスファルトの上を歩み去っていく。

そんな2011年7月の頃、わたしは親友に別れを告げた。
そうせざるを得なかった。

今こうして誰もいない自宅の畳の上に寝転んで天井を眺めていても、自然とその顔が脳裏に浮かび上がってくる。そのことがまたわたしを脆くする。

彼女とのたくさんの思い出が、時系列を無視して胸に去来する。そのことがまたわたしを弱くする。


※この作品は「カクヨム」及び「note」にも掲載しています。