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VR時代の新しい空想  作者: 廃界幻夢
「Dr-1」との出会い
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「Dr-1」との出会い-4 建築予定地を決める

「建物の設定をします。貴方や、キャラクター達が住む住居です。また、世界観の構築材料としても重要です」


 これから僕達がこの世界に住むにあたって、住居の問題というのはどうしてもでてくるだろう。そのためにも、住み心地のいい家を作らなければならない。


 ここで懸念すべき点が一つある。僕の空想の上では、僕とカディナは同棲していない事になっているのだ。僕の家と、カディナの家、2つを作り上げなければいけない。


 立地も考慮しなければならない。現在のこの世界、この地域では、家も店も無いどころか、道路も無いという有様である。従って、いい立地を探そうとしても、今後の都市計画の上では引っ越しを余儀なくされる可能性だってある。この事をカディナに相談したうえで、家造り計画を具体的にする必要性があるだろう。


「カディナ、家どこに建てようか。街をどこに作るかも決まってないから、山奥とかの人気の出なさそうな場所に別荘を作る感じになるだろうけど」


 僕が勝手に家を建てるなら、勝手にやればいいのだが、カディナの家なのだから、カディナが決めるべきであろう。幸い、今のカディナは、決められた性格の通り動くのであるから、僕の脳内で、僕に決められた通りに動いていた頃よりも自由なはずなのだ。  

 

 「うーん、お花が沢山あって、栽培できる場所がいいかなあ」


 カディナは、花屋兼魔法使いだった。そんな彼女が、自然に囲まれた、素敵な場所を望むのは当然の話であろう。


「じゃあ西にある丘がいいんじゃないかな、あそこなら自然がいっぱいだろうし」


 西にある丘は、僕が予め、森と川を造成していた場所だったのだ。あの場所なら、自然がいっぱいあって、花を育てるのにも、生活にも困らないだろう。


「いいですね! じゃあその丘で待ってます!」


 そう言うと、カディナは光に包まれて消えてしまった。もしかして魔法を使ってしまったのだろうか?慌てて僕はガイドの方を見る。


「仲間とはぐれてしまいましたか?そんな時は魔法制作モードで魔法を作りましょう。魔法制作モードでは魔法の名前、効果、発生条件を詳しく決める事が出来ます。また、その一覧を確認できます」


 なるほど。カディナは、あのプロフィールで、魔法を使える事を記されていたから、ワープ魔法を使えたのだろう。


 合点のいった僕は、オプションを呼び出し、魔法制作モードを開いた。


「あれ、もう書いてある」


モードの、魔法一覧の欄に「フレイム、アイス、サンダー」等の魔法(僕は適当な人間なので、魔法名を安直に作っていた)に並んで、ワープの文字があった。慌ててガイドの方を振り向く。


「便利な自動インポート機能をご紹介いたしましょう。細かい環境設定を忘れてエラーが起きた事はありますか?そんな経験からはおさらばです。この機能は、インポートされた物に付随する情報も自動でインポートしてくれる機能です。鉱山からは鉱石が、草原からお花が、海からは魚が、学校から学部、魔法にテクノロジーまで同時にインポートすることが出来ます」


 なるほど。僕の脳内世界では、二人とも自由に魔法を使っていた。カディナを僕の脳内からこの世界に呼び出すときに、カディナの持っていた魔法が同時にインポートされていたのだろう。


それならもう迷う事は無い。僕はオプション画面を閉じ、ワープの魔法を念じる。これくらいの魔法であれば、心の中でワープと唱え、行きたい場所を念じる事によって移動する事が出来る。ここでは、「カディナがいる場所」と念じればいい。


 すると、僕の体の周りから光が輝きだした。脳内でワープ魔法を唱えた時には、こんなリアルな描写にはなっていなかったのだ。カディナと会った時も感動だが、この瞬間でも感動を覚えた。


 チュートリアルを淡々と行っている時には実感が薄かったが、カディナと出会い、こうして魔法も唱えられると、この「Dr-1」という機械がいかに革新的だったかをまざまざと実感させられるのだ。


 光が弱まってくると、先ほどいた平原ではなく、森の間にある開けた場所が見えてきた。 


「もう、遅いですよ!」


カディナに叱られてしまった。そりゃそうだろう。向こうからしたら、唱えられる筈の魔法を唱えず、今まで合流するのを忘れてしまっていたのだから。


「ごめん、ちょっと準備にもたついてて」

「まあ、大丈夫ですよ、予定地も見つけましたし」


 チュンチュンと小鳥がさえずり、川には、現実世界にいそうな魚は勿論のこと、派手な色の魚も泳いでいる。だいぶ前に、魚や動物、ドラゴン等の設定をノートに書いたことを思い出す。もしかしたらあの派手な魚も、自動インポート機能で脳内から呼び出されたのかもしれない。


 いま気づいたが、音がとてもリアルなのだ。小鳥の囀りと、水の音。これらが心地よい。ここがVR空間だというのを忘れてしまいそうだった。現実世界でコントローラーを持って動いている今でさえそうなのだから、動きを電極が読み取るようになってしまえば、この場所と現実の差が無くなってしまうのかもしれない。


「いい場所だなあ」


思わず呟いた。休みの日なんかは、こういう場所に行って時間を潰したいものだ。


「感心している場合ですか!家建てましょうよ!」


カディナにまた怒られてしまった。

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