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非無双チートを所望する

作者: 甲田ソーダ

はじめに

1.私の個人的な意見であります。賛否両論別れると思いますが、その際はどんどん感想欄に書いていただければと思います。必ず返信いたしますので。

2.文章に登場する小説すべてが当てはまるとは限りません。実際、いくつか例外が存在しているのも重々承知しております。

3.『なろう』の特徴でもあり、また醍醐味であり、大部分を占めているジャンルに対してのことです。もしかしたら当てはまってしまった小説に出会ったとしても「こんなこと言われてたよ?」などとは書かないようにしてください。

4.3.の注意事項を正しく理解した上でお読みください。

5.他、何かあればその度に感想欄に書いていただければと思います。


 ◇◆◇


バトルものは必ず二種類に分けることができる。


『無双』か『無双ではない』か、だ。(これ以降『無双ではない』ことを『非無双』と呼ぶ)


この場合でいう『無双』とは、もちろん主人公のことである。


まどろっこしいのも何だので単刀直入に言おう。



私は『無双』が嫌いだ。



理由は単純明快。つまらないと感じるからだ。


なぜつまらないと感じるか? それについて述べる前に『無双』も二種類に分けられることを言うとしよう。


そもそも『無双』とはつまりどんな敵に対しても絶対主人公が勝つということだ。どんなに強力な敵が出てきたとしても、主人公さえいれば、主人公が来れば勝利が決定づけられる。それが『無双』だ。


それではどんな種類に分けられるか?


それは『圧倒的な力で、圧倒的な勝利を掴む主人公』と『その場の機転、知恵を働かせ勝利にしがみつく主人公』かどうかである。


私が嫌いなのはその中でも前者の方。後者はむしろ好きなくらいだ。こっちは私としては『非無双』にいれてもいいと思っているくらいだ。


後者はいつもギリギリの戦闘を演出させ、勝ちが決定づけられているとわかっていても「どうやって勝つのか?」「相手に隙はあるのか?」「負けてしまうのではないか?」という緊迫感が伝わり、より読者を引き込ませてくれる。


しかし、それに対して前者はどうだろうか。圧倒的な力の前には魔王であろうが神であろうがひれ伏すしかない。勝つとか負けるなんて考えてもいない。1+1が2であるのと同様に、当たり前のように勝つのだ。


感情が無とでもいうのか。ベルトコンベアでもするかのようにページを下にスクロールさせるだけ。


特に嫌いなのが、その場合のステータス表示だ。


正直言って読めない。

読むのに疲れてくる。何が書いているのかよくわからないし、覚えられる量でもなければ、挙げ句の果てには覚えようともすら思えない。


それぞれの属性魔法くらいなら別にいい。RPGをやっていればなんとなくわかる。覚えるまでもない。だがしかしだ。


『光速』『瞬足』『韋駄天』『瞬間移動』etc…


もうひとくくりに『身体強化』でいいじゃん!


今回の例として、素早さ系だけ挙げたが、本当であればこれに『剛力』『威力増強』『鉄壁』『絶対防御』etc…がついたりしている。


知らねぇよ! 要は圧倒的な身体強化が身に付くんだろ!?


と、叫びたくなる。


『○○耐性』『△△耐性』『□□耐性』だってひとくくりに『全耐性』とでも書いてほしい!


小説中に「俺のスキル~~が」なんて言われても読んでないからわからん! 「へぇ~、あるんだね」くらいしか思えないのが私の心情である。


だが、ここで勘違いしてはいけない。



私は、チートが嫌いな訳ではない。



チートがなければ勝利は掴めない。その場の機転を働かせることだって立派なチートと言ってもいいだろう。だから、チートは嫌いじゃない。


要するに限度を考えてほしいのだ。


チート能力、チートスキルにだってもちろん弱点があるはずだし、なければいけない。ただしメタ以外で。


でなければ、小説中の敵はインフレを起こし続けることになる。それにしたって、主人公が一発殴ったり、本気の何割かを出せば、すぐに終了みたいなことになる。


他にも。


こういう作品の大抵は後の展開が手に取るようにわかってしまうことだ。


どんなにヒロインや仲間が苦戦していても、主人公がその場に向かっていれば、死にそうな場面で助けに入る。さらに惚れてきゃっきゃ、うふふのいちゃいちゃ。


はっきり言って主人公が出て来ない方が戦闘的には面白いことなんて多々ある。


一つの無双を読めばすべての無双系小説がわかる、と私は言いたい。


結局、最後はインフレになるのだ。倒し方だってほぼ同じ。タイトルが違うだけ。


最初は他と違った展開になるので面白いのだが、後半はネタが尽きてくるのだ。三十話まで読んで、あとは読まないなんてことをいくらやっただろうか。


実際問題。


これまでなろうから書籍化、さらにアニメ化までいった作品に圧倒的な主人公最強は今日数えるほどしかない。それがどういう風に受け取るかは人それぞれだが、やっぱりそういうことなのではないか。


逆に、面白いと評判のなろう以外の小説やアニメはどうだろう?


チートはあれど、圧倒的な主人公はそうそういないように思える。あらゆる能力を無制限に鍛えた主人公より、あらゆる知恵を総動員している主人公の方が私は引き込まれる。


無双は敵役だけ十分だ。


私はそんな敵を主人公がどう倒していくのか。それを知りたい。


そんな『非無双チート』な小説を読みたい。



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― 新着の感想 ―
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