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お久し振りです!
私が頭を抱えて苦悩しているのにも関わらず、その諸悪の根源である誠は可愛い誠に戻っていて、尾崎君と話し始めていた。
「あいっ変わらずこの部室には人がいないね〜」
「しょうがないだろ。部員がいないんだから」
そう言えば……。
「野球部は今日練習ないの?」
誠が言う通り、部室には私達以外誰もいない。
私の言葉に尾崎君は苦笑いをして、誠は嬉しいそうに私を見た。
「花ちゃんセンパイふっか〜つ!」
「死んでたのは誰のせいだと…」
「ん〜?……何か言った?」
「いえいえいえいえっ!何も言ってないです!」
怖い。急に声が低音になるの本当に怖い。これから誠と話す時は細心の注意が必要だ。間違えても誠の裏の性格を出してはいけない。
「誠、先輩で遊ぶのはやめろ」
「は〜い」
怯えている私を見て尾崎君が誠を諌めてくれた。ありがとう、尾崎君。多分誠を止めることができるのは君だけだよ……。
「先輩の言うことならこいつも聞きますよ?だから誠のストッパー役、逃げないでくださいね?」
一瞬で逃げ道を塞がれた。私には力不足だと言って回避するつもりだったのに。そして私がストッパー役をやるのは決定事項なのね。
「も〜、そんなことどうでもいいでしょ!」
いや、どうでもよくないです。逃げたい。
「それよりも野球部の話!夕ちゃんはセンパイに相談したいことがあるんでしょ?」
私に相談?誠のこと以外でまだ私にやれということが……?
私が少し怯えた目を向けると、尾崎君は申し訳なさそうに話し始めた。
「実はこの野球部、部員がオレしかいないんです」
「はい?」
私には信じられない話だった。野球部と言えばどこの学校でも二十人くらいは部員がいるイメージだ。なのに部員が尾崎君だけ?
「実は昨年度卒業した三年生の中に、オレの従兄弟がいたんですよ。そいつ、めちゃくちゃ強かったらしくて……。従兄弟が卒業した途端に、この部はもうダメだとか言って皆辞めちゃったらしいんです。オレは野球なんてやったことなかったんですけど、従兄弟がしつこいぐらい勧めてくるから入部したんです。そしたら部員が一人もいなくて……」
何と言うことだ。まずそんなことってありえるの?尾崎君の従兄弟が卒業しただけで部員がいなくなる?
「オレも信じられなくて、元部員の先輩達に聞いて回ったんですよ。そしたら、練習メニューの作成や部員一人一人のチェックは全部従兄弟がやってたらしくて、従兄弟がいなくなって直ぐに、それまでのように練習できなくなってしまったらしいんです」
尾崎君の従兄弟どんだけ凄い人だったんだ。練習メニュー考えるのはまだしも、部員一人一人のチェックって……。普通はマネージャーとか顧問がすることだろう。
「マネージャーの仕事も従兄弟がやってたらしいです」
「す、凄いね、従兄弟さん……」
もうそれしか言えない。
「オレもどうしたらいいか分からなくて、とりあえず先輩達に部に戻ってもらえるよう頼んでいる最中なんです。そのせいで髪を切りに行く時間もなくて……」
だから尾崎君は丸刈りじゃなかったのか。ゲームをプレイしている時からの謎だったけれど、こんなところで解けた。
「そこで先輩にお願いがあるんです」
本当にお待たせしました…。




