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花愛が悩んでいるだけです。台詞少ないので読みにくかったらすみません!

 夜、私はノートを前に悩んでいた。

 イベントは起こってる。琳音は多分不発に終わったはずだけど。

 ちなみに何で私が琳音のことだけを下の名前で呼ぶかと言うと、ゲームの中で琳音はヒロインに名前で呼ぶよう言い続けてくる。それのせいで呼ぶようになったのが、今でも残っているだけだ。是澤のことも名前で呼んでいたけれど、今本人を目の前にすると、そんな畏れ多いことは絶対にできない。

 話を戻して、琳音の出会いイベントは今日の朝、誠と会った下駄箱で起きるはずだった。琳音の格好良さに見とれていたヒロインに気付いた琳音が、ヒロインの髪を綺麗だと言うのが内容である。だから私は髪を切った。今の長さだったら、髪をすくうことなんてできないだろうから。結果的には誠の乱入で起きなかったけれど、起きていないということは明日起きる可能性もある。でも私は琳音に見とれたりなんかしないから、出会ったとしても好感度が上がる可能性は低い。


 「やっぱり誠に協力してもらうのが一番だよね……」


 転生者でありゲームに関しても詳しい誠なら、好感度が上がる心配もないだろうし、自然な形でイベントを邪魔することが出来る。今日話しておいたのは正解だった。

 そして尾崎君。彼とのイベントは今日起こるはずではなかった。しかも少し話が違う。

本当は一年生の仮入部期間である今(私達の高校では登校日初日から仮入部ができる)が終わり、尾崎君が野球部に入ってから出会うはずだった。でも話は似ていて、クラスの男子に野球部のマネージャーに誘われたヒロインが野球部の見学に行ったところ、一年の期待の星として尾崎君が紹介される。紹介してくるのがクラスメイトから誠になっただけで、帰りに家まで送ってもらう、というのは同じだった。


 「イベントの回避は不可能……かなぁ。でも状況によっては違う話になる……?」


 まだ予想の範囲を出ないけど、私の行動によっては好感度を上げなくて済むかもしれない。


 「問題は金剛だぁ……」


 金剛だけは好感度が上がってしまっている。結果的に峰川からの目はキツくなってるし、明日以降も同じクラスである金剛とのイベントは多い。


 「だぁあ!もう!!イベント回避不可能ならどうしたらいいのさ!!」


 よく分からないが金剛の好感度が上がる。何もしていないつもりでも、峰川の目は時間を追うごとに鋭くなる。怖い。まだ二日目なのにあの目はゲーム中盤あたりの目をしてる。


 ペラペラとノートをめくる。今日誠が話してくれた話も書き足して、イベントのページはほとんどが埋まった。


 「でも裏ルートだけは分かってない」


 誠も裏ルートに関しては詳しくなかった。存在は知っていても、選択肢まではお姉さんに聞かされていなかったらしい。


 「自力で頑張れるかなぁ?」


 裏ルートに入った後の峰川の行動は分からない。何をされるのか考えるのも嫌だ。しかも場合によってはルートに入ったキャラからのストレスもあるかもしれない。そんなの私は耐えられない。


 「何としてでも頑張るんだ……!」


 まだこれからどうなるかは分からないけれど、好感度を上げないように、峰川を刺激しないように頑張ろう。

 ノートを閉じて布団に入る。明日起こるイベントのことを考えているうちに、私は眠っていた。

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