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調子にのって本日2話目です。
私は机から顔を上げる。
「えっとー、何か言われてた?」
金剛は溜息。本当に覚えていない。
「昨日言ったよ、あいつの所に行かないで、って。忘れてるなんて酷いよ」
そう言われると言われた気がする。
金剛は明らかに落ち込んでいて、どうしたらいいのか分からない。
「金剛君!桜宮さんと何話してるの?」
私が悩んでいると、峰川が乱入してきた。
「……チッ」
あれ?金剛舌打ちした?そんなことしないで欲しい。見た目と合わなすぎる。
そして峰川は気付いてくれ。金剛の纏う空気が絶対に冷たくなった。あなたはこの二日で彼に何をしたんですか?
「別に面白い話じゃないよ。少なくとも君には関係ないかな」
そんなにはっきり言って大丈夫ですかね。今度は峰川の温度が下がりましたよ。
「そうでしょ?」
「へっ!?う、うん!!」
ここで私に振らないでくれ。めっちゃ峰川に睨まれてる。怖い。怖すぎる。
「そっか〜。じゃあ今度は私も混ぜてお話してね!」
本当にめげないな。私だったら絶対に近付かない。舌打ちされたくない。
そこで鐘が鳴った。金剛がまた舌打ちしそうな顔をしたけれど、これはしょうがない。私はいそいそと授業の準備を始めた。
六時間目は昼休みのことを考えていて集中できなかった。是澤のせいで忘れていたけど、琳音とのイベントは起こらなかった。まだ安心はできないけれど、昼休みに教室から出ないようにすれば、このまま起こらないかもしれない。
今日のことを考えると、イベントは起こる。だけど、私もキャラもゲームとは違い血の通った生きた人間。起きたとしてもどうなるか分からない。
私の行動によってイベントの回避はできなくでも、是澤との約束のように、第三者、イベントと関係の無い人を巻き込めば回避できるかもしれない。
そのことで一番頼りに出来るのは天野誠。
彼の言葉を信じるなら、天野誠は転生者である。明らかにゲームの設定と違う性格だとしたら、第三者として頑張ってもらえるかもしれない。
問題は金剛。私は何もしていないはずなのに、話が進んでしまっている。峰川の視線はきつくなっているし、そろそろ何か行動を起こさなさないと、ルートに入ってしまう。それは何としてでも避けたい。あんな完璧人間は私の手に余る。もしルートに入って付き合い始めたとしても、私の精神が持つはずがない。
そこで考えたのは誰かに協力してもらうこと。話して大丈夫そうだったら天野誠、駄目ならうまく誤魔化して彩に協力を願おうと思う。
とにかく放課後。天野誠の話で、私はこれからの行動を決めなければいけない。
とうとう10話!
進めているはず!と思いながら頑張っております。
1話ごとをそこまで長くしていないので、このまま続けば話数だけ増えていくことになるかもしれません(^^;
1話ごとを長くすればいいのかもしれませんが、どうにもできなくて……。力不足ですみません。でも慣れてくれば長くなるかも!
まだまだ続く予定ですので、これからもお付き合いお願いします!
感想、意見はいつでも受け付けてます!




