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風の中の詩

PRAYER

作者: 惠美子

髪の毛一本の差で救われた命

その命がまた巡り合わせにより

皮肉にも儚く消え失せる

(貴方の葛藤に平安あれと祈ります)


好奇心の赴くままに制止を振り切り

駆けだしていく幼い命が

何の咎もないはずなのに星になる

(全ての幼子(おさなご)と、握っていた手を振りきって飛び出していく我が子に心臓の止まる思いをする親の為に祈ります)


世の中に挑戦しようとする野心が

何者かの強い怒りを招き

前途を断たれる

(古い価値観だけでなく、単純な行き違いで起こる諍いと戦う人に祈ります)


誰もが自分を信じて生きていく

誰もが自分の行先を塞ごうとするものを

取り除けていこうと努めるだろう

体も心も痛めて、歩みを止める人もいるだろう


全ての祈りが聞き届けられると信じているほど子どもではない

それでも少しでも穏やかさを取り戻せるのなら

気持ちは無駄ではない

平和と仕合せを夢見ない者はいないのだから

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― 新着の感想 ―
[一言] うう、なんだか涙がこみ上げてくる……。生かされている奇跡、平安であってほしいと願う心、容赦ない現実。心を鷲掴みにされた気分です。
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