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3話 いきなりの痴話喧嘩

文字数がバラバラですが、お許しください。後でまた改稿します。とりあえず、ストーリーを進めていきたいので。

 

「ちょ、ちょっと! ユーキ!? この草原に来た時、私たちの荷物も一緒に置いてあったわよね? ま、まさか……」


「うっ……」


 俺はおもわず顔を逸らしてしまう。さっきは俺たちの身体を守るのに精一杯で、そこまで頭が回らなかった。完全に俺の失態だ。


「そんな……う、うう〜〜」


「お、おい! 悪かったって!」


 俺の反応を見るや否や、サヤが再び泣き出してしまった。


「だ、だって〜〜……た、大切な思い出がぁ! ユーキとのぉ! えぐっ、ひぐっ……」


「お、思い出?」


「鞄だって、財布だって、今までの誕生日にユーキから買ってもらったものだったのに……プリクラも、中学の修学旅行の時に二人で撮った写真も、全部全部! あ、あんまりだわよぉ!」


「え、えぇ!?」


「この服だって、二人で出かけた時に、ユーキに選んでもらったものなんだよ? お、覚えてないの?」


 そう言って、サヤは女の子座り(あひるさん)に、涙目に上目遣いというとんでもないコンボを繰り出してきた。


 サヤの服装は、首元に細めの赤いリボンがついた白のワンピースだ。この世界の季節がいつかはわからないが、日本の季節は夏だったため、このようなラフな格好なのだと思っていたのだが。いつ買ってあげたんだっけ?


「そ、そうだったかなあ?」


 俺はおもわずどきりとしてしまう。


「う、ううう〜! こ、このネックレスだって……お、覚えてる?」


「ネックレス……」


 サヤは、自分の胸元からハートの飾りがついたネックレスを持ち上げ、俺に見せてきた。


「それは……覚えてる。俺が退院した後、最初に買ってやったやつだろう?」


 退院とは、簡単に説明すると、俺が現実世界《地球》に戻った時に、突然倒れて入院していることになっていたことを指す。異世界に飛ばされ、また戻る時に一ヶ月近くラグが発生し、その間現実世界ではベッドの上にいた、という訳だ。

 そして、いろいろな検査を受けた後程なくして無事解放され、その後俺の退院祝いということで、何故か俺のお年玉の残りで街のデパートにてサヤにこのネックレスを買ってあげた訳だ。普通は俺が何かもらうのだと思うのだが……まあ、今でも大切に付けてくれているようでよかった。


 あれ? 俺こいつに貢ぎすぎじゃね?


「ふふっ、そうだよ? え、えへへ、よかった、そこは覚えてたんだね」


 サヤが泣き顔から笑顔になった。覚えていてよかった、これ以上泣かれると辛いからな。まあ、そもそも俺が泣かしたようなものだが……


「まあな。サヤが年甲斐もなくキャピキャピ喜んでいたのを覚えているぜ」


「もう! いじわるっ! おばさんじゃないしっ!」


 そこまでは言ってはいないが……


「あーあ……無くなってしまったものは、仕方がないよね……まさか、ユーキの手で葬られることになるとは思わなかったけど」


「ご、ごめんてば」


 俺は両手を合わせ、サヤに向かって頭を下げる。


「写真は、どうにかなるかもしれないけど……プリクラと財布は……よし! じゃあ、条件を付けてあげる!」


「……条件?」


 俺は少しだけ頭を上げ、目でサヤの様子を伺う。


「帰ったら、プリクラを撮ること! そして、財布と新しい服を奢ること! あとあと〜〜」


「ちょ、ちょっとまて、多くないか?」


「は?」


 ドスの効いた声だ。


「スミマセン……」


「あのね、私はね、ユーキのことは嫌いじゃないのよ? 寧ろ、好きなくらいなのよ? だからこそ、無くなってしまった思い出は、新しく作ればいいと思うの。わかった?」


 え?


 ええっ?


「あの……今なんと?」


 聞き間違いですよね? そうですよね!?


「聞いてなかったの? 無くなってしまった」


「そ、その前!」


「え? その前? ……ユーキのことは嫌いじゃ……ひょ!」


「ひょ?」


 ひょ? サヤが変な声でそう叫んだ。


「な、ななななななにいわせてんのよばばばばか!!」


「ちょっ!」


 サヤは一際大きな声で叫んだかと思うと、下げた状態になっている俺の顔に向かって蹴りを繰り出してきた。


 俺は咄嗟にその蹴りを交わし、そのまま後ろへと回避した。


「んっと。さ、サヤさん?」


「ふーっ! ふーっ!!」


 だ、だめだ! 興奮状態になってしまっている!


 また魔法を使うか? でも、サヤのこの世界でのステータスもわからないし、これ以上無闇に魔法をかけたくはない。よ、よ、よし、こうなったら……!


「さ、サヤ! 聞いてくれ! 俺も、サヤのことが好きだ!」


「……ふぇっ?」


 今にも飛びかからんとしていたサヤは、俺の叫びを聞いた瞬間、まるで美術館に飾られている石像であるかのように動きを止めた。



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