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13 絶望するストーカー
見上げていた部屋のカーテンが閉まった。部屋の明かりが消えた。下地ラクゴは、隠れた電柱の柱の影で、自分の携帯電話を割れんばかりの力で握り締めていた。
――アエルに男がいる。
カーテンに男の影が落ちたとき、アエルは言ったのだ。『もういい加減にしてよ』と。
アエルは部屋にいる男と、どれだけ愛し合ったのだろうか。きっと疲れ果て、寝入ってしまい、下地ラクゴとの会話で気持ちの切り替えができたところへ、男が起きてきたのだ。
下地ラクゴは信じて疑わなかった。
アエルに男がいる。明かりを消したのだ。きっとこれから、もう一度愛し合うのだ。
――殺してやる。
ルイを殺した。どうせ警察につかまるなら、アエルをせめて自分のものにしてから、と思っていた。その前に、やることができた。アエルを自由にしてやるのだ。
そのことでアエル自身が喜ぶのだと思い込んでいた。どれほどの迷惑なのかは考えなかった。下地ラクゴの頭は、アエルを男から解き放つことしか考えられなくなっていた。




