6話.クリムゾン第5班と第7班
6話です!
俺らは準備を済ませるとゼーダ達と共に、用意した荷馬車に乗ってイザナギ門へ向かった。
「着いた~」
コロネは大きなイザナギ門とイザナギの塔を見上げ呟く。
「1班ー!」
「こっちよー」
俺たちより離れたところに人だかりがあり、そこから俺達1班を呼ぶ声が聞こえる。
「いたいた。ごめんね、お待たせしちゃって」
「大丈夫だ」
「じゃ改めて1班からメンバーの紹介いこうか」
頼み主ということで、セレカは淡々と仕切っていく。
「こちら、1班班長のゼーダ=ソレイユさん。今回の件で道案内をしてくれるはずだよ」
ジョブから名前と順を追ってセレカは紹介していく。
「私は魔術師のセレカ=マーズ。この魔術書や魔鏡で魔法をぶっ放すよ」
セレカは自分の武器となるものを見せながら紹介する。
「そちらは、カイリア=ヴォルケーナ君。通称クリムゾンの若き新星とは彼のこと。剣士で、剣を振り回したりするよ」
そんな通称があるとは知らなっかった……。
「最後に彼女は、コロネ=ヴァーミリネスタちゃん。カイリア君の可愛い妹分だよ。主にツッコミに長けるよ」
自然とボケをかましつつも、セレカによる1班の紹介は終わった。
「じゃあ5班の説明だな」
5班の所属らしき人物が紹介を始めた。
「俺は、5班班長のサイカ=ライデンシャフト。東洋の血を受け継いでいる」
東洋。確か、昔 栄えた人種らしいが、最近は人数が減少しているという。
特徴は 皆美しい黒髪、黒曜石のような瞳だということ。
そしてサイカは、紹介を進める。
「そいつはヒバリ=ユーリ。刀匠で、見た目に不似合いな、大きな大太刀を扱う」
「よろしくです~」
ヒバリは、小さな頃に読んだ書物に載っていた、『オイラン』に似た容姿だ。
「こいつはカコエラ=ツァオメイ。多節棍という打撃系の武器で技を繰り出す」
「よ~ろしくにゃんっ☆」
カコエラは東洋人に似た特徴を持っているが、根っからの東洋人というわけでは無いように見える。
……とりあえずテンションが高いと見た。
「あいつは、エゼル=カタフニア。ダガーという短剣を2本使う剣士だ」
「……よろしく」
肌をあまり出していなく、物静かな印象の彼は、まるでアサシンのようだ。
「5班は以上だ」
5班のメンバーは サイカ、ヒバリ、カコエラ、エゼルの4人で結成されているようだ。
「次は7班だな」
5班から7班へバトンタッチだ。
「ええ。私は7班班長の、ミホラ=ベルンシュタイン よ。クロスボウって知ってる? 私はコレを使って戦うの」
口調や性格、何よりウェーブがかった美しい薄紫色の長い髪が、高貴な雰囲気を漂わせていて、なんだか浮いているようにも見えてしまう。
「お次はイージス=プラルィーフ。大砲……と言っても腕にはめ込む形って……ったく、ややこしいのよ」
「えっ、あっ、ごめんなさい……?」
なんだか弱気そうな、青年だ。
「次、錬金術師の、 アルミ=ジャルディーノよ。なんか……錬金するのよ」
「班長……説明が……雑……。錬金は……武器の修理とか出来る……から……皆も……武器が壊れたり……武器を強化したい時は……是非……声をかけてね……」
聞いていて眠くなる。
目が半開き……寝ているのか、それとも彼女の癖なのか?
「はい次、忍のサザナミ=ヴァイパーよ」
「……班長、説明! 説明してよ! ついには名前とジョブだけで終わったよ!」
苦労をしていそうな、多忙なツッコミ役のようだ。
「とりあえず僕は東洋で言う忍者ってやつだ! 近距離、遠距離どっちの攻撃も得意だからね!」
見る限り、7班も紹介が終わった。
7班は、ミホラ、イージス、アルミ、サザナミの4人のようだ。
「全部の自己紹介も終わったね」
「今回はお集まり頂き有難う御座いまs」
俺は、どかっとゼーダの両肩に手を置いて話す。
「お前がちゃんとしねぇと俺たち死ぬかもしれないんだから、シャキッとしろよ!! しかもなに敬語使ってんだよ! なんかやつれてるし」
ゼーダは不気味なほどやつれ、語り口調までもおかしくなっていた。
「カイリア……けっ、ただの生意気小僧だと思っていたが……いざという時はしっかりするんだな」
「それじゃ そろそろ行く?」
「そうだな。よしっ、行くぞ!」
「「「「「おおおーーーー!!!!」」」」」
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