表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/34

5話.魔鏡に映った絶望

5話です!

ついにピンチ来たる(笑)

「カイリア、コロネ! 起きて!」


 俺は大きなノックの音と大きな声で目を覚ました。

 まだ朝早い時刻なのにいったい何事だろう。


「なんだよ……ふわぁぁ……」

「私出るね……あぐぅ……」


 どうやらコロネも今の音で目を覚ましたらしい。おかしな声を出すものだから、思わず布団の中で笑ってしまった。

 コロネは、おぼつかない足取りで部屋のドアに向かう。

 なんとかコロネはドアにたどり着いたようで、ゆっくりとドアを開き来客者を確認する。


「あれっ?! ゼーダ兄さんにセレカ姉さん?!」


 班員の訪問ということに一気に目が覚め、俺はまだ扉近くにいるコロネの隣に並ぶ。


「朝早くにごめん。でも緊急事態なんだ」


 何故かセレカはとても焦った顔をして、魔鏡を抱えている。

 ゼーダに至っては 顔が真っ青だ。


「さっき、セレカの魔鏡(まきょう)で俺の故郷を見たんだ。そしたら……」

「この有様だよ」


 セレカは俺ら2人に魔鏡を見せた。


「な、なんだこれ……」


 そこに写っているのは ゼーダの故郷らしいのだが、(つら)なる木造の家が全て壊れ、家畜小屋(かちくごや)の扉が開き 本来そこに居るはずの家畜が放たれていて、とても悲惨な光景だった。

 そして一番衝撃を受けたのは、血が至る所に付いていることだ。


「この倒れている馬は……父さんの愛馬、だ」


 ゼーダは恐怖で声が震え、膝から崩れ落ちた。


「ゼーダ、落ち着くんだ」


 セレカはしゃがんでゼーダに声を掛ける。


「私たちも色々な所へ出向いているが、こんなに酷いのは久しぶりだ。私の推測ではここまで荒らすデヴィルは強敵だと思う」


 セレカは落ち着いた声で自身の推論を話した。

 そして、少し間を開けこう言った。


「……恐らく、今の1班では倒せない」


「――!!」


 俺はすぐさま反論しようとするが、コロネがその言葉を抑えるように、こう言ったのだ。


「兄さん、私もそう思う」


「お前ッ……」

「フィクションの展開と重ね合わせても救世主は現れない。現実を見るべきだと……思ってたりする」

「言うねぇ……。ま、そこで他の班に応援要請(おうえんようせい)したよ」


 その言葉を聞いて俺は安心したような、はたまた他人の力を借りることの悔しさを感じた。

 応援要請とは その名の通り、難しい依頼などを受けるとき、ギルド長を通して他の班からの応援を要請できるものだ。


「仕事早いね、さすが姉さん」

「ふふん。皆を叩き起こしてまわったからね」


 セレカはドヤ顔で笑った。

 こうして見ると、セレカは『ドヤ顔』が多い気がする。


「戦士たる者、武器は毎日整備しているよね」

「もちろん、それだけは怠らないよ」

「ならいい。イザナギ門の前で落ち合うことになっているんだ。皆、事情を話したらすぐに承諾(しょうだく)してくれたよ。流石(さすが) 帝国一の人情深さだ」


 『帝国一の人情深さ』。

 ここのギルドは、そんな事でも有名になっている。

 どんな無理な依頼でも、快く引き受けてくれる……俺が小さい時、親に教わったものであり、クリムゾンに憧れたことでもある。


「準備を早急に済まして欲しいところなんだけれど、いい?」

「当たり前です」

「私の同期で、君たちの先輩で、同郷の家族であるゼーダの為にも一肌脱ぐよ!!」

ご覧いただきありがとうございます!

お気に入りにして欲しいとか思っていないんだからね!!


追伸,意図的なツンデレを皆さんはお気づきだろうか……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ