4話.妹系戦士のジレンマ
4話です!
俺とコロネは同室であるため、セレカ達と別れた後 雑談しながら部屋へ向かった。
俺らは雑談が好きなんだなー、とつくづく思う。
*
「兄さん 砥石 貸してー」
部屋に着いて、さっそくそれぞれのベッドの上で武器の手入れを始めた。
コロネに向かって砥石を投げ渡す。
「今度市場行くか……」
足りない物があったことを思い出し、そんな提案をする。
そういえば今使っていた砥石も、そろそろ替え時だ。
「いいのっ?!」
コロネが予想以上に食いついてくる。
多分、何か誤解をしているような気がする。
「服も甘いのも買わないけどな」
俺は剣を磨きながら答えた。
「ええええええ」
一方コロネは、大好きなものを何も買ないのに不満があるらしく、槍をベッドにほっぽって俺へ顔を向ける。
「当たり前だろ、俺たちはギルドの戦士なんだから」
「それもそうだよね。普通の女の子が羨ましいな……」
「ばーか、俺たちは、あのクリムゾンヴェヒターズだぞ?」
ここのギルドはこの国で1番といっていいほどの力を持っている。
そのため、毎年たくさんの希望者がいる中、実力を持って選ばれたのが、今ここに居るギルドメンバー達なのだ。
「憂鬱ー」
「デヴィル討伐にチカラ入れろよな」
話がひと段落して、俺はふと部屋の時計を見る。針は消灯時間の5分前を指していた。
「もう寝っぞ」
「はーい」
手入れを終えた武器を壁に立てかけ、そのまま部屋の電気スイッチに近づく。
「電気消すぞ」
「はーい」
電気を消して、急な暗さに慣れない目でベッドを探し向かう。
「明日も平和だといいね」
ベッドに潜り込むと、コロネが言った。
セレカが言った言葉にそっくりだ。
「まあな」
俺はそう答えると目をつむった。
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くってるの他サイトも見て欲しいとか思ってないんだからね!!←