2話.先輩班員
2話です!
ひゃっはー!((
「お疲れ、1班」
あの後、雑談をしながらギルドに帰ると、とある人物から声を掛けられた。
ちなみにここのギルドは 4~5人で1つの班になり、依頼を受けるという形になっていて、俺らはその1班なのだ。
「あ、ただいまです。ギルド長!」
コロネが元気よく挨拶したのは 我がギルド、クリムゾンのギルド長であり、精鋭が集う0班班長のエルヴム=フォイアーだ。
「で、どうだった?」
紺色の長い髪を揺らしてエルヴムの陰から出てきたのは 0班所属の女剣士、ディオ=グラナートだ。
どう、というのは、もちろん依頼のこと。
「もちろん、成功ですよ!」
「ふふっ、ギルド長、早く報酬ください」
報酬、それはお金だ。
貰ったものは 班員で割り勘し、好きに使っていいということになっている。
さっき真っ先に報酬について話したのは、セレカは金好きであるからだ。
「私は正直なだけですよ」
「セレカはもっと抑えろよ」
「はははっ! じゃ報酬の手続きしてくっから、飯 食ってこい」
真顔で冗談のようなことを言うものだから、思わず俺はツッコんでしまった。
結果、ギルド長は笑ってくれたので良しとするが。
「よっしゃ! 今日の晩飯なんだろな~」
「今日は豚が入ったから、トンカツだよ!」
不意にもらした独り言に、ディオが去り際に答えてくれた。
「兄さん良かったね! 兄さんの好きな肉だよ!」
「体力つくからなー」
「私も好きだよ、お肉」
「俺も好きだぞー。故郷を思い出すからな」
「あれぇ? 君の故郷って豚小屋だったっけぇ?」
セレカは明らかに悪意のあるような、はたまたツッコミを入れてくれと言わんばかりの顔をして言う。
セレカは、顔が物理的によく変わる。
「わざと言っているだろうお前。俺はエルフだからな、森でよく狩ってたんだ」
「だからゼーダ兄さんの耳とんがってんだ!」
勘付いたコロネが驚いた表情で、ゼーダの耳を指差しながら言う。
セレカもそうだが、コロネもまた感情豊かだ。
「セレカに削がれたのかと思ってたっす」
俺はツッコミを待ち望む。
まるでテレビのコントのようだ。
「刃物は得意じゃないよ、私は」
「うっせぇな お前ら……早く食堂行くぞ」
『言ったこっちゃない』とお互い顔を見ながら罪をなすりつけ合う。
まるでガキな俺らは食堂に向かって歩き出す。
「今度私の魔鏡で君の故郷覗こうか」
魔鏡というのは、呪文を唱えると見たい場所が見れたり、特殊な技を繰り出せる魔法の鏡だ。
「おう、よろしく頼む」
心なしか、ゼーダの頬が赤らんだように見えた若者の俺とコロネ。
「なにかあるでしょ2人とも」
「恋愛的な、はたまた性的な」
俺とコロネは、肘につんつんしたり、膝に足で軽く蹴ったり、あからさまにからかってみた。
「お前らなぁ……そんなんじゃねぇよ。なんだよ『性的な』って」
期待外れの解答に俺たちは無意識のうちに『(´・ω・`)』こんな顔をしたような気がする。
「何ガッカリしてんだよ」
雑談をしながら歩いていたら、いつの間にか俺らは食堂についていた。
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