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53話 国軍親衛隊
「我々は、国軍親衛隊である。吉樹浩二よ、大人しく武器を下ろして降伏せよ。さもなくば刺殺する」
刺殺する、というのが笑える。だが、この状況は決して笑えるような状況ではない。
気配からして20人ほどだが、全員がこれまで見てきた国軍兵士とはまた違う雰囲気だった。
「吉樹浩二、たった今お前に国王から処刑命令がなされた。だが我々も苦しませて殺すつもりはない。大人しく降伏して首を差し出せ」
「……一つ言いたいことがある」
浩二は腰にあったサバイバルナイフを抜いて構えた。
「処刑宣告出されて、黙って処刑される馬鹿がどこにいるんだよ」
鼻で笑い、直後に跳躍。棚の上に隙間があったのでそこに入り込むと、向こう側にいた親衛隊の兵士が慌てふためいていた。
「消えただと?」
どうやら浩二は消えたことになっているらしい。兵士は真上にいる浩二に気付かないまま、捜せだの殺せだのとほざいている。
程なくして、この地下から人の気配が消えた。
◆◇◆◇◆
火薬庫らしき場所を出た浩二は、扉のすぐそばにいた見張りの兵士をサバイバルナイフで瞬殺した。
「……よし、行くか」
中央は吹き抜けとなっており、17階部分に一際目立つ扉があった。
そこを見据えた浩二は、既に覚悟を決めていた。




