4話 神々の刺客
空中に浮かぶ島の中心部にある塔の最上階。石畳の床は常に水が流れており、苔が生えていた。
中心にある大理石の台の上では、殺されたはずの吉樹浩二が横たわっていた。どこにも傷は無い。
「ご苦労だったな」
黒衣を纏った男は、鎧を纏った5人に向かってそう言った。その奥には、様々な武器を持った8人の人間が立っている。
「我々の計画を止められるものはいない。お前たちはそれを確実なものにしてくれた」
青白い光が宙に出現する。そこから、一振りのロングソードが出現した。
「これが最後の神崩、五大色の紅を司る《紅剣》だ。横たわっているこの男、吉樹浩二はこの計画で最も重要な人物だ」
黒い鞘に入ったその剣を、浩二が寝ている大理石の台に立て掛ける。黒衣を纏った男は、前に手を出した。
「さて、もう準備は出来たな」
そう言うと、全員が敬礼をした。
「後ろの8人は以後、神々の刺客として猛威を振るえ。計画は確実に、死んでも遂行せよ」
「「「「了解」」」」
8人が揃ってそう言うと、青白い光となって消え去った。
残された、鎧を纏う5人は、立ち尽くしたまま男を見つめた。
「お前たち5人は、途中で死ぬことになる。だが、計画を成功させる大きな布石になる。誇りはあるか?」
すると、全員が笑顔で頷いた。それを見た男は口元に笑みを浮かべると、手を前に差し出した。
「任務を確実に遂行しろ。シナリオ通りにな」
パシュッ!という音と共に、5人は青白い光となって消え去った。
(さてと……最後の儀式を行うとするか)
男は冷酷な笑みを浮かべると、目覚めない浩二の腹に鉄槌を下した。




