37話 状況開始
ヴェルタイト国中心都市クラウスト。半径35キロほどの、ほぼ円形の都市は、50メートルほどの防壁で囲われている。
その中心部には、高さ200メートル、直径80メートルという巨大な塔が聳え立っている。そこに今回の暗殺対象となる、この国の王であると同時に、最強と言われてきた七大将軍に入るほどの武力を持つローという男がいる。
都市の入り口は2カ所、南門と西門がある。どちらも国軍の兵士が独自で作成したデータベースを利用したスキャナーでチェックされ、ミラ軍か解放軍のどちらかに所属していた場合は入れない仕組みとなっている。北側は国軍の訓練所があり、出撃用の門があるが、警備が南門や西門よりも厳重で、そこから入ることはまず不可能だ。
なので、国軍側に察知されずに潜入する方法は、東側からとなる。
クラウスト東側は、スラム街となっており、一般人は迂闊に近づけない。一帯はどうやら武装集団によって支配されているらしく、取り締まりをしている国軍の兵士すら近づかない。
そして驚くことに、東側には防壁に穴がある。かなり巧妙に隠蔽されており、目の前まで行かなければ誰もその存在に気付くことはできない。城壁の上は兵士が見張りに就いているが、東側には樹海が広がっており、敵が来てもほとんど察知されない場所だ。
◆◇◆◇◆
「只今より、状況を開始する。各自全力で標的を撃破せよ。なお、妨害が入った場合は各自の判断に任せる」
佐倉希留は、無線で全員にそう告げる。
遠くの山の隙間が白み始める。午前4時、遂に国王の暗殺作戦が開始された。
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・暗殺作戦に於ける役割分担
酷霊軸座:斥候、裏取り
佐倉希留:指示、近距離攻撃
呉射月菜:中距離支援
牧原筑璃:中距離攻撃
薙咲雷希:トラップの設置及び解除
吉樹浩二:遊撃
冥夜朱雀:遊撃
佐々木翔:斥候、遠距離攻撃
桜木芽衣:狙撃による支援攻撃




