2話 計画の始動
「始まったな」
黒衣を纏った男は、部下らしき5人の男女にそう言った。間には大理石のようなもので出来たテーブルがあり、その上で寝かされているのは、既に死んでいた佐藤輝の体だった。
「お前ら5人には、かなり辛い10年間が待っている。が、これが終わればまた冥界へと戻り、勤めを果たす時が来る」
男は口元に笑みを浮かべる。それとほぼ同時に、5人の前に青白い光が出現した。
「この世界へ招く客の名簿だ。くれぐれもその順番で、狂いなくやってくれ」
B5のノートが20冊ほど出現した。5人は4冊ずつ手に持つと、無言で敬礼をした。
「それでは、健闘を祈る」
バシュッ!
その音と同時に、5人は青白い光となって消えた。
◆◇◆◇◆
「起きろ。佐藤輝」
そんな声と共に、腹部辺りに衝撃が加わった。
輝は目を開けると、そこは満天の星空が広がる塔の上だった。
「……何故、俺は生きてる?」
「それについては後々、死ぬほど分かるさ。そんなことより、俺の自己紹介をしてもいいか?」
声の主は、黒衣を纏った男だった。顔はフードを被っていて全く見えなかったが、身長は輝より大きい。
「私は、ラヴォルという名前だ。神をやらせてもらっている」
それを聞いた途端、輝はどういうわけか、気付けばラヴォルと名乗った男の胸倉を掴んでいた。
「ふざけるな。殺されたいのか」
「……ここはお前の知る世界ではない。神に手出しとはいい度胸をしている。それとも無知なだけか、傭兵」
輝は舌打ちをすると、胸倉を掴んでいた手を放した。
「……さて、本題に入ろうか」
ラヴォルは口元に笑みを浮かべながら、脳裏に浮かべていたとある《計画》の話をし始めた。




