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果たして無知は重罪か。【評論】

作者: 金森 亮
掲載日:2026/06/07

 無知は重罪か。これは長年、私の課題として心に深く刻まれている事柄であり、そんな馬鹿な話はないと信じてやまない。


 軽重はさておき、無知が罪であると仮定すれば、万人は皆罪人である。


 記憶とはある種の奇跡による。専ら人生一つ一つの行き様が奇跡の類いだ。


 しかし記憶にはかつて捨て去られた区画もあることに留意した時、完全なる知はこの時点で望み薄だと黙認する。


 この国の1億うん千万の個人情報だって知る筈がないのにこれは意地悪ではないか。


 無論ここでは他者への利害や自身の立場の自認を、不確定なものでいることがよろしくないという理解が求められていることを指すのだろう。


 つまりは先の文は無駄であると。


 だが、それは知らないのではなく知れないわけであって、この境をどう制定するのだろうか。誰も一様には答えを出せない。他者に合わせようにも、これまた誰も真か偽りか判別できず実情を知れないのだ。


 人生での裏切りの脅威がすぐ側まで迫っても、知れないのだから意味を成さない。


 私はこの定義付けが永久に未決定だという矛盾を以て、無知の罪人を解放した。


 知がこの世の条理なら、私はあの窮屈さに堪え忍ぶことは出来ない。

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