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虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
528/553

白い四角い『奴』の攻略方法(sideレーゲンボーゲン)*

 夏のどこかで、嘉隆くんと晃くんが、仕事の合間に白い四角い『奴』の話をしています。



 日増しに暑くなるこの時期は、食べたいものに悩んでしまう。そんな、主婦のような会話を嘉隆(よしたか)(あきら)はしていた。お弁当持参だが、この時期は、痛むこともあるので、しっかり、冷ましてからお弁当の蓋を閉めないといけないね、とお弁当のあれこれについて語っている。それを、隣りで聞いていた遥はデリバリーの唐揚げ弁当を頬張りながらぼやいていた。



「おまえら、主婦かよ」

「この時期のお弁当は、大変なんだよ。色々忙しいんで、腹でも壊したら目も当てられない」

「いや、デリバリー頼めばいいじゃん」

「自分で作りたいんだよ」



 そういうもんかよ、と言って遥は引き下がると、後は黙々とご飯をかき込んでいる。それを、楽しそうに見ながら、荘太郎(そうたろう)はおにぎりを頬張っているし、(たすく)はサンドイッチだ。


 そして、何故か冷奴の話になった。どんな具を乗っけるか、どんな味が合うか。この時期は、食欲が減少するし、火はなるべく使いたくないので、冷奴の出番が増える。そうなると、何を乗せるかと言う事になってくる。


 スマホを眺めていた、佑が『江戸時代に武家に仕えた者の中で最も身分の低い『やっこ』と呼ばれる者たちの着ていた着物の紋が四角柄であったため、それを連想させる四角い豆腐を『奴』と呼んだことに由来する』と豆腐について説明してくれた。



「豆腐って、四角いのだけじゃないけどね」

「でさ、豆腐にうちはよく『だし』をかけるよ」

「だしって? めんつゆとか、味噌汁に入るやつ?」

「それとは、ちょっと違う」



 荘太郎が『だし』の話をしてきたので、その話題になった。『だし』は、茄子、胡瓜、茗荷、オクラなどを使用している。『だし』は、山形県村山地方の郷土料理である。夏野菜と香味野菜を細かくきざみ、醤油などで和えたものであり、ご飯や豆腐にかけて食べる。一般的には出汁と区別して、山形のだしと呼ばれるが、『山形のだし』は株式会社マルハチが商標登録している。山形には、だしを製造する漬物会社がいくつか存在するよ。『山形のだし』は商品名だ。



「それを、夏になると豆腐にかけるのが、我が家の定番だね」

「それ、美味しそうだね。具材が分かれば、手作りも出来そうだね」

「うん、愛夢(あいむ)の実家から送られてくるけど、うちでも作るよ」

「そのレシピ知りたい」

「ああ、いいよ。愛夢に言っておく」



 晃のお願いに、荘太郎はすぐに、愛夢にメッセージを送ってくれた。今日は、仙台に仕事で行っているので、気付いたら連絡をくれるだろう。そして、更に冷奴の話は続いていた。



「まず、聞きたい。豆腐は『木綿』か『絹ごし』か、どっちだ?」

「あはは、まずそこから? 俺は『絹ごし』だけど、最近は、『木綿』も食べるよ」

「それ、麻衣ちゃん基準じゃね?」

「うん」



 冷奴はどっちの豆腐でも美味しいけれどね。で、何をかけるか。定番はこの時期なら、茗荷やネギだね、と生姜で食べても美味しい。かつおぶし、ごまなど色々と薬味が出て来た。



「梅干しと大葉も良いよ」

「それ、暑い時に良さそうだよな。荘太郎の言っていた『だし』じゃ無いけど、夏野菜刻んだのも良いね」

「そうだね、今夜の一品にしようかな」

「酒のつまみにみ良さそうだよな」

「冷酒に合うもの考えてみるよ」



 麻衣が好きなものは何かな、と呟いて、シンプルにネギと茗荷に収まりそうだけど、と言って笑う。今夜は、アレンジされた冷奴を嘉隆と晃は作って、お互いメッセージで送り合うのだろう。


 その後、愛夢からは、『だし』のレシピだけでは無く、お土産に買っていくね、と言うメッセージももらったのだった。



 メモで、嘉隆くんと晃くんが冷奴の具で盛り上がる話、とだけありました。それを、掘り下げたものです。

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