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虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
527/552

君の気遣いと優しさ(side嘉隆&賢人)*

 嘉隆くんと賢人くんの高校に入った頃の過去話です。

 


 高校に進学して、その年の四月に、嘉隆(よしたか)と賢人は同じクラスになった。出席番号の並びも偶然、近かった。

 高校から友人になった麟太郎(りんたろう)邦弘(くにひろ)敦史(あつし)とも直ぐに打ち解けた。中学の頃にも委員会活動はあったし、高校の委員会もほとんど、変わらない。麟太郎と賢人の席は隣り同士で嘉隆の席は麟太郎の後ろだ。邦弘と敦史は、三人の席に来るといつも何かの話題で盛り上がっている。


 今の話題はこれから、HRに決めると言う委員会の話だ。嘉隆は、直ぐにいくつかのバイトを初めていたので、出来ればそれほど忙しい委員会には入りたく無い。賢人の話では、嘉隆は部活に入っていないので、これからの就職に関わる内申書に関係してくるので、委員会は出来れば入っておいた方が良いと言われた。


 賢一は賢人の三つ上の兄で、嘉隆と賢人が高校に入学する時には、入れ違いで高校を卒業していた。その兄から、賢人が委員会について聞いた話がある。



「合唱コンクール委員が楽だって、一兄が言ってたけぇ」

「予定表を見ると五月の後半なんじゃね」

「さっさと終わらせられるけぇ、わしと一緒にやらんけぇ?」



 そう言うわけで、合唱コンクール委員を選んだ。賢人、クラス委員とかせんの、と言われたがやりたい人がいるなら遠慮するよ、と真面目に返されていたのは、麟太郎だ。



「やりたいのさっさと選んでおいた方がいいけぇ。わしは、どっちかって言うと、最後まで残ってじゃんけんで嫌な委員させさられるよりもさっさと選んだ方が良いと思うけん」

「体育祭は、春じゃけど、めちゃ忙しいけぇ」

「何が楽かのぉ」

「比較的、楽なのは、選管とか楽かもしれないけん」



 選挙管理委員会、これも、基本期間が限定されるので、楽だと言う事だった。それと、好きなら継続的な委員会でも楽しんで出来るのでは無いかと言う事だった。本が好きなら図書委員に入れば、希望の本を入れてもらいやすくなると言う事だ。



「あとはあれじゃな。気になっておる子と同じ委員になる事も良いかもしれないけぇ」

「ああ、それは、よく分かるけぇ。きっと、嘉が何を選ぶのか気になっておる女子がおるはずじゃ」

「ああ、きっと、そうかもしれないぇ。なので、今回はわしと一緒じゃ」



 賢人、悪知恵も働くのか、と三人は感心している。しかし、更に困った事になった。その後の、合唱コンクールのピアノの伴奏が決まらなかったのだ。仕方がないから、嘉隆が立候補する事にした。本当なら、ピアノを弾けることをカミングアウトしたく無かったし、目立つこともしたくなかった。しかし、流石に弾けるのに黙っているのも気が引けた。



「忙しくないけぇ?」

「まぁ、触るのは久々やけど、楽譜見れば何とかなると思うけぇ、大丈夫じゃ」

「流石じゃ、わし、よっちゃんのピアノ聞くん久々で嬉しいけぇ」

「歌えんのは、残念じゃけん」

「だよね、よっちゃん、歌うの好きじゃけぇ、残念じゃね」



 委員会はそれほど、忙しくはなかった。ピアノをすることとバイトをしていることを素直に伝えたのが良かったのかもしれない。



「賢人、同じ事、姉さんにも言ったけん?」

「ああ、やっぱり、ダメだったけぇ?」

「まぁ、賢人に言われるまで気付かなかった姉さん面白いから良いけん」

「そうじゃね、真理ちゃんには、なんで、もっと早く教えてくれないけん、って言われたけぇ」



 同じ委員会に姉もいた。姉の真理子はただ、所属しているだけだった。姉の学校の成績はあまり良くは無い。なので、委員会や部活をする事で少しは内申書が良くなる。



「姉さん、賢人のアドバイスしっかり聞いていたけん」

「うん、だから、委員長も引き受けたみたいじゃね」



 内申点が良くなるとわかると、積極的に委員長にも立候補した。それが、周りにプラスに働いたようで、副委員長もすんなりと決まった。ピアノすると言ったら、少し驚かれた。珍しく、嬉しそうに笑っていた。ぼそりと、真理ちゃん、よっちゃんのピアノ好きやからね、と言っていた。



 真理子さんは、実は、嘉隆くんの弾くピアノが好きです。

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