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虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
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おっぴさんと愛夢ちゃん



『おっぴさん』がねーと愛夢(あいむ)ちゃんが言った。もうすぐ、愛夢ちゃんのおじいさんが九十歳の誕生日を迎えるらしい。九十歳と言えば、『卒寿』だね。長寿祝いの一つで、六十歳還暦、七十歳古希、七十七歳喜寿、八十歳傘寿、八十一歳半寿、八十八歳米寿、九十歳卒寿、九十九歳白寿、百歳百寿、百八歳茶寿、百十一歳皇寿、百十九歳頑寿、百二十歳大還暦。


『卒寿とは、九十歳を迎える方の長寿祝いのこと。 『卒』の略字である『卆『を上下で分けると『九十』と読めることが由来となり、卒寿と呼ばれるようになりました』



 この辺は、調べたんだけど、還暦と古希、喜寿、米寿ぐらいは知っていた。卒寿は知らなかった。細かく別れているんだね。


 遥くんのおじいさんもそれくらいの年齢じゃ無かったかな。私は、気付かずに普通に聞き流していたが、(よし)くんと遥くんは違った様だ。思わず愛夢ちゃんに聞き返していた言葉があった。



 その言葉は『おっぴさん』だった。



「なぁ、おっぴさんって何?」

「え、こっちでは言わないの? 曽祖父とか曽祖母、ひいおじいちゃんひいおばあちゃんの事を言うんだけど、知らない?」

「聞いた事無いな」



 遥くん、不思議そうだ。そうだよね、うちの実家では、おじいちゃんもおばあちゃんも既にいないので、子供たちがそう呼ぶ人はいない。だから、嘉くんも聞いた事が無かった様だ。



「もっと言うと、『ぴーちゃん』っても言うよ」

「その呼び方、突然、可愛くなったな」



『おっぴさん』や『ぴーちゃん』これさ、全国的にそう呼ぶと思っていた。そしたら、これも宮城だけの方言だった様だ。知らなかったよ。ひぃおじいちゃんは『おっぴじいさん』ひぃおばあちゃんは『おっぴばあさん』って言う。

 それを教えてくれたのは、中山くんだ。中山くんも愛夢ちゃんの実家に行った時に、分からなくて調べたらしい。私も愛夢ちゃんも普通に使うと思っていたから、不思議だった。



「知らなかった」

「いや、それ、俺の台詞」



 そう言って、嘉くんには笑われた。嘉くんのおじいさんの事、(りん)ちゃんたちの前で、『おっぴさん』って言わなくて良かったよ。いやでも、その事忘れて、遥くんのおじいさんの事をそう呼びそうだな。


 で、ごめん、話が完全に逸れた。愛夢ちゃんのおっぴさんの話をしていんだよね。謝ると、気にしないで下さいと言われた。



「それで、こないだお祝いを持って行ったんだけど、まだ早いって怒られました」

「あは、このくらいの年齢になると、誕生日がまだだと、早いって言うよね。うちの、父もそうだよ」

「なので、ぴーちゃんの誕生日にはこれないんですよー、って言って納得してもらいました」



 あはは、年配の人あるあるだよね。と言うか、嘉くん私を見て笑わないで。麻衣も同じ事言ってるって言われた。だって、あれは、嘉くんも遥くんも私より誕生日が後なんだもの。言いたくなるでしょ?


 愛夢ちゃんのおじいさんは足腰もしっかりしていて、九十歳になるのに散歩も好きで健康に過ごしている様です。元気が一番だよね。孫とひ孫が来るのを楽しみにしているそうだ。



 おっぴさん、ぴーちゃん、普通に使っていたんですけどね。全国的には使わないんですね。由来は出てこなかったんだけど、『ひ』ぃ祖父母の『ひ』が『ぴ』になって、『お』はおばあさんやおじいさん、お父さん、お母さんなどの『お』の字と同じ、意味を持つのではないかと思います。

 子供がいると、どうしても、自分の母なのにおばあちゃん、祖母なのにおっぴさんと言ってしまうあるある。

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