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虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
508/512

『チーズケーキの人』(side愛夢)*

 愛夢ちゃんが、円さんと初めて会った時の過去話です。



 いつも、言葉のチョイスが少しおかしいと言われていた。嘉隆(よしたか)の事を『のほほん星人』と呼んだり、遥が良い事を言った時に『さすふる』と言った事が、その要因だと言う事だが、愛夢(あいむ)自身はそこまで変な事を言ったと言う自覚は無い。


 そして、今回、愛夢が言ったのは、(まどか)の事だった。円に対して、愛夢はそう言った。



 『チーズケーキの人』と。



 それが、おかしかったのか、言われた本人は、愛夢と初対面だと言うのに、「嬉しいわ」と言って、返したのだった。そして、愛夢が『強い』と思った瞬間だった。


 今日は、中山家にお客様として、遥と円、そして、嘉隆がいる。麻衣は用事があると言う事で、後から顔を出すらしい、なので珍しく嘉隆もいる。子供たちは出掛けていていない。



「改めて、『チーズケーキの人』でも構わないけれど、自己紹介させてね。頼永(よりなが)まどかよ」

「始めまして、中山愛夢です」



 本名は『まどか』で平仮名よ、と言ったら、愛夢もまた、きちんと本名で自己紹介を返してくれた。そして、愛夢が口を開く前に、前に遥に伝えた様に、芸名の意味を教えてくれた。



「本名でも、似合うと思います」

「ふふ、ありがとう。古川くんにもそう言われたわ」

「私は、事務所で決められたので、そのままです」

「理由があるの?」

「単純な理由です。私、元々、『佐藤』だったので、もっと、目立つ名前にしよう、と決まったみたいです」

「『佐藤』さんでも全然、構わないと思うんだけどね」

「私、オーディションで選ばれたから、我儘を言える立場じゃ無かったんです」



 そう言って、愛夢の隣りで、荘太郎(そうたろう)は吹き出した。自分たちが事務所に所属する頃にはかなり、言いたい事言っていたよね、と言われた。



「言いたい事をはっきり言うのは悪く無い事だと思うわ」

「そうですよね。言ったのは、我儘では無く、本当の事です」



 円もはっきりと物事を言うタイプの人間で、愛夢と馬が合いそうだった。しかし、少し離れた場所にいた嘉隆は、ぼそりと「猫被った愛夢もいるけどね」と呟いた。



「どの口が言うんだよ」

浅生(あそう)さんも十分、猫被っていますけどね」



 中山夫妻のツッコミに嘉隆は、目を逸らす、それに、愛夢は「勝った」と呟いた。今日も、嘉隆VS愛夢の戦いは愛夢の勝利だったようだ。



「ね、古川くんっていつもこんなに大人しいの?」

「そんな事無いよ。普通に話すし突っ込むよ」



 多分、今大人しいのは、目の前にある愛夢のお土産の『こだまのどらやき』に夢中だからだろう。お菓子があるといつもこうですよ、と言ったのは荘太郎だ。なるほど、と言って少し遥の事が分かった様だ。



「古川さんは、『甘党人』です」

「そうなのね、初めて聞いたわ」



 愛夢の謎の言葉に動じない円にこの場にいた全員が『つよい』と思った瞬間だった。後から、やって来た麻衣がその様子に首を傾げていた。



 じゃあ、嘉くんは『辛党人』だね、と言った。



 謎の愛夢ちゃん録がどんどん増えていってます。

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