中山くんの実家の柴犬と遊ぶ
中山くんの実家の柴犬はめちゃくちゃ可愛かった。中山くんの実家は、マンションなんだけど、ペットが飼えるマンションだ。そして、小型の柴犬を飼っている。私はペットを飼いたいと思わないけれど、動物と接する事は好きな方だ。聖良ちゃんのところの猫のヴァイスくんもめちゃくちゃ可愛かった。着て行った服が毛だらけになったけどね。
「マリ姐の実家はお米と野菜を作っているだけで、動物は飼っていないんですか?」
「うん、昔は家畜もいたみたいだけど、私の祖父って私が生まれる前に亡くなっているって言ったでしょ。農業だけで手一杯で、その時に、やめたみたいだよ」
「あれ、でも、にわとりいるって言ってませんでした?」
「ああ、あれは、って私そんな事言ったっけ?」
「聖良ちゃんに聞きました」
「ああ、あの時か。聖良ちゃんが猫を飼い始めた時に、聖良ちゃんと美月さんには、話したね。それさ、お祭りのひよこが育っただけだね」
「お祭り! そんなのがあったんですね」
「あれ、これって田舎だけの事なのか」
愛夢ちゃんにコーヒーをご馳走になりながら、私と愛夢ちゃんは、中山家の実家の柴さんと戯れる中山くんと嘉くんを見ている。一匹だと思っていたら、二匹いた。
私の感覚だと、仙台は田舎じゃないものね。そっか、仙台には無かったのか。
「名前なんて言うの」
「ヤジさんとキタさん」
「あはは、それ、付けたの荘太郎?」
「いや、弟」
中山くんの弟さんは、一緒に住んでいない。近所に住んでいて、お子さんを連れて遊びに来るのだが、中山くんのお父さんとお母さんが寂しいだろうと兄弟で柴犬をプレゼントした様だ。マンションなので、家族が増えると私の実家の一戸建ての様なところじゃ無いと、大勢の家族で住むには不向きだろう。
「こっちが、ヤジさんで、こっちがキタさん」
「いや、区別つかないって」
そう言って、嘉くん笑っているんだけど、楽しそうに、ヤジさんの頭をがしがししていた。うん、中山くんがヤジさんって言ったからどっちか分かった。
「この青い首輪の子がキタさんね」
「うん、そして、赤い首輪の子がヤジさんね」
「これってさ、キタさんって遥くん?」
「マリ姐、正解ですー!」
あはは、柴犬二匹の名前はレーゲンボーゲンの二人か。『東海道中膝栗毛』は名前だけ知っている。詳しい話は知らないけれどね。赤い首輪していたから、そう思っただけなんだけどね。
「厄払いのために、お伊勢参りする話だね」
「え、じゃあ、俺、喜多さん?」
「うん、弥次さんの居候」
嘉くんも名前だけしか知らない様だ。喜多さんって弥次さんの居候だったのか。ちなみに、詳しい話は愛夢ちゃんも読む気がない様だ。知っているのは、中山兄弟だけだった。
「浅生さん、本当に犬が好きですね」
「うん、ぶち好き」
「マリ姐とどっちが好きです?」
「それ、俺に言わせるの」
なんで、犬と私なの、愛夢ちゃんの質問に中山くんは吹き出した。これ、答えは分かってはいるけれど、犬だって言われたらちょっとへこむかもしれない。そして、考える事もせずに、言った答えに私は、喜多さんを抱きしめたのだった。愛夢ちゃん、そこで、にやにやしないで。
聖良ちゃんのところのヴァイスくんも可愛かったけれど、中山くんのヤジさんとキタさんも可愛い。また、遊びに来ても良いかな、と聞いたらいつでも、と言う嬉しい返事が返って来た。
嘉隆くんは、本当に犬が好きです。でも、死んじゃうと可哀想なので、飼いません。




