表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
493/535

君と僕の嘘



 玄関で、靴の整理と靴のケアをしていた(よし)くんに手招きされた。何かあったかな? いらない靴でもあって、その確認かなと思ったんだけど、嘉くんは、奥にあった私の靴を引っ張り出して、綺麗にしてくれた。箱に入りっぱなしだったんだけど、それでも埃はどこからか付くものだ。



「麻衣、この靴は履かないの?」

「ああ、それか。結構、値段が張って買ったんだけど、それほど履いていないのもあって、捨てること出来なかった」

「デザインが気に入らなかった?」

「ううん、違う」



 その靴はかなり、踵が高いのだ。困ったな、なんて言えば良いかな。無言でいると嘉くんがそれを私の前に置いた。これは、嘉くんに出会う前に買った靴だ。踵は高いけれど、色と形が気に入って買ったものだ。フォルムが少しメンズものに近くてカッコいい。

 玄関にしゃがみ込んでいるので、見上げる嘉くんの表情はすごく、嬉しそうだ。そして、前に言った言葉をもう一度呟いた。いや、それは気にしていない、と思う



「やっぱり、俺との身長差を気にしているの?」

「そんな事ない」

「表情はそうは、言って無いよ。麻衣はやっぱり、嘘付くの苦手だよね」



 そう言って、嘉くんは私の足に触れた。靴下を履いているけれど、くすぐったい。言葉に出来ずに無言になるのは、肯定しているのと一緒だ。



「嘘付くと、なんだっけ。頭が痛くなるやつ?」

「それ、西遊記の孫悟空の『緊箍児』で、悪い事すると締め付けられるのであって、嘘付くとでは無い」

「そんなの無かったっけ」

「嘘を付くと鼻が伸びるのはピノキオの事じゃ無い?」

「ごちゃ混ぜになっちゃった」

「そうじゃ無くて。私も、気にしていません」

「ほんと? じゃあ、今日はこれを履いて出かけようね」



 嘉くんがにこにこして嬉しそうだ。私が気にしているのは、嘉くんが私と並んで歩いて嫌な思いをしないかと言う事なんだけど、その表情を見ていると違うのがよく分かったよ。本当に気にしていないんだね。


 嘉くんの手を借りて、靴を履くと身長が嘉くんとほとんど一緒になった。これは、遥くんの身長よりも高いかもしれない。



「いいな」

「何が?」

「この、麻衣と視線を絡める事が出来る距離が好きなんだよ」

「ちょっと、恥ずかしいよ」

「結婚式の写真以来じゃ無い?」

「そうかな」

「あの時もぶち嬉しかったけど、あの時は残念な事に一緒に歩けなかったしね」

「そうだね」

「麻衣、気にしてるっぽいところがあるから、ヒールのある靴を買ってって言えなかった」



 結婚式写真では、五センチほどのハイヒールだった。あれは、写真を撮るだけで特にどこかを歩いたりはしていなかったからね。



「ごめんなさい」

「麻衣が謝る事じゃないでしょ」

「これだけは、言っておく。私ね、嘉くんが嫌な思いしているんじゃ無いかなって思っていただけ」

「俺何度もそんな事無いよね、って言ってるよね」

「ハイ、ソウデス」

「麻衣は麻衣らしくが一番良いんだよ」



 そう言って、嘉くんは目線を合わせて、とろける笑みを浮かべた。ううう、複雑な表情を浮かべる私に嘉くんは甘い口付けをくれた。きっと、キスしたいだけですよね?!



 少しだけ甘いを目指しました。最近は、イチャイチャしている話を書いていなかったので、たまに書きたくなります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ