白黒つけて
特定のアーティストや、実在の人物の名前が出て来ますので、苦手な方はご注意下さい。
因島の有名人で、思い出すのはやっぱり、ポルノグラフィティさんたちだよね、って言ったら嘉くんに他にもいるよねって言われたけれど、どうしても、思いつかない。そして、名前を出されても分からなかった。
本因坊秀策、江戸時代の棋士だって、言っていたけれど分からない。棋士って、将棋? って言ったら、そっちじゃ無いよ、って言われた。ほら、宮城のお隣りの山形の天童市は将棋の駒で有名だから、そっちが出て来た。
詳しい説明を受けたら、囲碁だった。囲碁と聞いて、もしかしたら、絵美は知っているかもって言ったら、「なして?」って返ってきた。
「高校の頃に囲碁するー、って言ってた様な気がする」
「本当に、なして、って聞きたいんだけど」
そう言って、嘉くんは笑っている。絵美は、結構、推しに左右される性格だ。囲碁漫画が高校の頃に連載されていて、その時、その漫画雑誌にその連載があって絵美が買っていたのだ。
「なんだっけ、ちょっと聞いて見る」
「囲碁って言えばさ、賢人、高校の頃に囲碁部だったよ」
「え、それって、その本因坊秀策に憧れて?」
「広島で有名な人物だけど、流石にそれで、やる様になったのかは、分からないと思うんだけど、どうだろうね」
詳しい話を聞くと賢ちゃんのおじいさんが囲碁をやる人で、小さい頃から教えてもらったらしい。賢ちゃん、目をきらきらと輝かせて「碁盤の中に、星があるんだよ」と言ったらしい。囲碁の事は全然、知らないんだけど、なんか、良いなそれ。
* * *
絵美は、トウヤくんが可愛いのー、って言ってた。話の内容が分からないので、誰か分からない。聞いたら、『塔矢』って書くらしい。それで、名前かと思ったら苗字だった。そして、絵美のマシンガントークが始まった。詳しい話を知らないから聞く事しか出来ない。でも、囲碁の話はほとんどしていなかったと思うなぁ。
「そっか、でも、絵美は囲碁を続けようとは思わなかったんだね」
『うん』
「即答か」
『だって、ルールが理解出来なかった』
「賢ちゃん、教えてくれるかもよ」
『え、賢ちゃんも漫画読んでいたの?』
「いやいや、違うって。高校時代、囲碁部だったけど、小さい頃から、おじいさんに教えてもらっていたみたいだよ」
『おお、すごい。リアルなやつだ』
リアルなのか。それで、絵美はそのお話で、広島が出てくるって言ってた。嘉くんが言っていたのと同じだ。そっか、こないだのウイスキーといい、広島の有名人多いね。でも、嘉くんは、ぼそりと、隣りで最後に広島って言っても安芸じゃ無いけどって行った。どっちも、広島じゃん、って言葉言えなかった。やっぱり、広島って東西に分かれていて、文化とか全然、違うからね。その一言を拾った絵美は爆笑していた。
* * *
その事を、賢ちゃんに言ったら、じゃあ、絵美ちゃんに教える? って言われた。今では、あまり、興味があるわけじゃ無いから教えなくても良いかな。多分、続かなかったって言うことは、やる気無いんだよ。話の中でまたやりたいって言われて無いしね。
『うん、その漫画は知ってるけぇ。よっちゃん興味無いと思って言って無かったんだけど、買ってたんよ』
「やっぱり、意識したの?」
『いや、次元が違い過ぎるけぇ、真似とかはしなかったけん』
「そっか、じゃあ、そのなんだっけ。因島の有名な棋士さん」
覚えていないのが分かって、隣りの嘉くんが笑っている。『本因坊秀策』だね。うん、その人だ。流石にその人については賢ちゃんも知っていた。嘉くんが知っている事に驚いている様だ。それこそ、目を白黒させている。
『よっちゃん、知ってったん?」
「まぁ、そのくらいは、流石に因島出身だしね」
『知っとるんは、ポルノさんだけじゃと思っとったけん』
あはは、興味のない事は覚えていないって、賢ちゃんにも思われているのがおかしかった。ふと、宮城にもすごい人がいるよね、と言われた。
「囲碁のすごい人っていたっけ? 聞いた事無い。なんで、宮城の棋士の名前まで知ってるの?」
『うん、だって、最近、ニュースで話題になってるけぇ』
「え、昔の人なんじゃないの?」
『あはは、確かに、本因坊秀策の話になれば、そう思うものけぇね』
名前を聞いてもぴんと来なかった。一力遼さんって言うらしい。隣りで、静かだなと思っていて、嘉くんが調べてくれた。河北新報の人だった。河北新報は、うちの実家でも取っている新聞なので知っている。
賢ちゃん、私が宮城出身なのもあって、意識している様だ。そうなると、私も気になってくるね。囲碁はやらないけれど、一力さんは応援しようかなと思う。
ウイスキーに続いて、囲碁にも有名な人がいるのが広島です。




