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虹の架け橋  作者: 藤井桜
後日談+サブキャラのお話
321/414

さくらんぼの季節



 さくらんぼって、あまり食べる機会無かったって、(よし)くんが言ってる。アメリカンチェリーでは無く、山形県産のさくらんぼだ。さくらんぼと言うと山形以外に思いつかないけれど、他にはどこかで作っていたかな。


 今日は、事務所に行った際に、愛夢(あいむ)ちゃんにお裾分けしてもらったらしい。日曜日に実家に行っていた様だ。さくらんぼは、綺麗に梱包されたものでは無く、大きさもバラバラ、形もあまり良いとは言えない規格外なさくらんぼだけど、味は変わらないって言ってた。

 宮城はお隣りなためか、規格外のさくらんぼが手に入り安いって言ってた。贈答用じゃなくて普段食べる様なら、その方が良いからね。それと、今回は、愛夢ちゃんのお母さんの実家から頂いたらしい。なので、愛夢ちゃん、宮城だけじゃ無くて、山形のお土産もよく持って来てくれる。



「可愛いよね、さくらんぼ。これ、うちで、こんなに貰って良かったの?」

「うん、これは、麻衣に渡してだって。なんか、最近みんなして、麻衣を餌付けしてるよね」

「え、これ、私にだけ? 他の人にはあげてないの?」

「ああ、それなら、大丈夫。みんなは休憩の時に食べてたよ。今日は、奏子(かなこ)も打ち合わせに来てたしね」

「そっか、それなら良かった。ちゃんと、みんなの口に入ったんだね」



 愛夢ちゃんにお礼を言っとかないといけないね。さくらんぼは、あまり日持ちがしないので、早めに食べた方が良いね。昨日、持って来たので、今日食べ切れないなら、明日中かな。無理そうなら、莉子さんと美月さんに持って行こう。



「麻衣、はい、あーん」

「いい、一人で食べれます」

「えー、俺も餌付けしたい。ほら、口開けて。あーんして?」



 仕方が無いので、私は口を開ける。さくらんぼを押し込まれると二個くっ付いていたさくらんぼの反対側を嘉くんが咥えた。え、ちょっ、それかなり恥ずかしいのですが、嘉くんの綺麗な顔が間近でどきどきする。よくやるお菓子のゲームをしているみたいだ。誰もいないので、嘉くんは、私が抵抗しないのを良い事に、切れて二つに別れたさくらんぼを口に含んで、最後は、甘く笑んで、私に口付けた。て言うか、食べづらい! 楽しそうな嘉くんと違って私は楽しく無い。ゆっくり、さくらんぼ食べたい。


 サイズは少し小さめ、でも甘みと酸味のバランスが取れていて、美味しい。やっぱり、さくらんぼを食べると夏が来たって感じがするって、愛夢ちゃんが言っていた様だ。これが、福島だと桃になる。言っていたのは従姉妹だ。宮城だとなんだろうね。嘉くんは、グリーンレモンが出て来たらって言ってる。え、レモンって時期によって違うのね、知らなかったよ。



「そう言えば、去年、愛夢がさくらんぼ狩りに行ったって」

「おお、楽しそうだね」

「でも、暑くて、さくらんぼは温くて、子供たちには不評だったらしいよ」

「ああ、確かに。良いかもと思ったたけど、それは私も嫌だなぁ。こうして、冷房の効いた部屋で食べているから良いけど」

「いちごは、ちょうど良い季節だったね」

「あの時は、ビニールハウスの中で、気温も調整されていたからね」



 いちご狩りが一番良い季節かもしれないね。そういえば、悠兄が、来年うちにいちご狩りしに来いって言ってたな。いちご狩りって言いながら、手伝う事になりそうだ。まぁ、それはそれで良いんだけどね。


 これから、どんどん果物が美味しい季節になるね。



 さくらんぼ、嘉隆くんはそれほど食べるわけではありません。いちごの方が好きです。ただ、麻衣に餌付けしたかっただけです。

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