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虹の架け橋  作者: 藤井桜
本編
30/414

雪のちらつきに、嫌な顔をする僕と、喜ぶ君



 その日、東京で初雪が観測された。昨日から寒かったので、もしかしたらと思っていたのだが、降ってきた瞬間に私の表情が曇る。

 東北の海沿いの町の出身で、雪は他の東北に比べるとずっと、少ないのだが、それでも降る。浅生(あそう)くんの実家も、降るらしい。それで、この雪に喜んだのは、古川くんしかいない。



「珍しい?」

「珍しいね、積もるかな」

「東京、積もると困るでしょ。役に立つか分からないけれど、私で良かったら、雪道の、歩き方教えてあげようか」



 私の雪道講座に古川くん、真剣に聞き入ってくれる。その様子を、浅生くんは楽しそうに見守っている。腰から下に重心を置いて、きちんと地面を踏むように歩く。慣れないと太ももとかふくらはぎが筋肉痛になるのよね。革靴は絶対にNG、北国だと、靴底が冬靴仕様になっている革靴もあるけどね。スニーカーの方が良いかも。

 あと、長靴もダメ、あれも底がゴムで滑るから。ブーツはおしゃれ用はやっぱり、滑る。東京では、おしゃれ用じゃないブーツは見た事ないかな。


 一番滑るのって、雪が溶け掛けたところと溶けた雪が再度凍った時だが、東京では、再度凍る事は、少ないと思う。



「すげぇな、雪国生まれ」

「それ、ほんとの雪国生まれの人に失礼だよ」

「そうなの?」

「宮城、東北だけど、雪国じゃないって言う人いるからね。それに、雪だけなら、浅生くんのところの方が降るみたいだよ」



 島根に近い方って、山だから、降るみたいだよ? でも、残念な事に雪はちらつくだけで、直ぐに止んでしまった。これから役に立つ事あるかも、ほら、北海道や東北にツアーに行ったりするかもしれないし、ぜひ、参考にして下さい。


 もしかしたら、まだ、これから寒くなると思うし、二月にはもう一度降るんじゃないかな。私は交通機関麻痺するので、雪は降って欲しくない。なんで、あれだけの雪であんなに大騒ぎするのか、私には理解出来なかった。それを、古川くんに言ったら、単純に「雪に慣れていないから」だった。うん、知ってた。


 でも、今日は本当に寒い。日本酒を温めて飲むのも良いかもしれない。寒いから、今夜はおでんにしたいね、って言ったら、賛成された。冬はどうしても鍋が多い。作るのも楽だし、でも、一人だった頃は、食べきれないので、莉子さんがうちに来た時くらいだ。



 買い物に出て、今夜はおでんになりました。二人も手伝ってくれました。実家の大根、消費出来て良かったです。おでんは、どうなんだろう、私の家の作り方で作っちゃったけれど、やっぱり、広島だとまた、違ったものになるのかな。

 浅生くんは、文句言わないで食べてくれるし、古川くんは、私の家の味でも問題ないみたいです。



 雪が降る降雪量は、少し前の話です。今も宮城よりも広島の方が降るのかは分かりません。県の北部は豪雪地帯の様ですね。

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