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虹の架け橋  作者: 藤井桜
新婚編
131/415

blendと化学実験



 地元TV局への出演のために私たちは、広島に来ていた。二人一緒にTVやラジオに出演する事も少しづつ増えて来た。まだまだ知らない広島がたくさんあってすごく楽しい。

 今日は、広島カープのユニフォームを来て、本拠地のマツダスタジアムに来ている。隣りの(よし)くんはいつもよりもずっと、テンション高めで、広島弁が隠しきれていない。だって、嘉くんの大好きな選手の人が駆けつけてくれたんだもの、当然だよね。

 でも、いざ撮影になると人が変わるので、広島弁も出る事はないので、見ていて楽しい。スタジアムでは、牡蠣やレモンなどの特産を使ったものが提供されているのは、流石広島だ。それが、宮城だと牛タンとかになる。牡蠣もあるけどね。

 川村さん、牡蠣お好きでしたよね、レポーターのお姉さんが嬉しそうに聞いてくる。うん、好きです。大きい焼き牡蠣にレモンを絞ったもの、レモンの良い香りがしてとても美味しそうだ。そして、すごく美味しかった。これは、日本酒が欲しくなる。



 今日は、オリジナルのドリンクを作ろうと言う企画をする様だ。テーブルの上に所狭しと色々な、飲料、食材などが並ぶ。広島らしい、カープらしいもので選んだ方が良いかもしれないんだけど、その辺は気にしないで自由に作って下さいって言われた。

 隣りには、嘉くんが大好きな選手の人が一緒に作ってくれている。選手さん、嘉くん、私、レポーターさんの並びだ。私には、緊張しているのが良く分かる。多分、他の人には分かりづらいだろうけど。嘉くんはカープらしい赤がメインの色合いだ、手先も器用なので、真剣な表情で作っている。

 そっちが赤なら私はどうしようかな。被ってもしょうがないよね。なので、カープらしい赤は諦めた。底には赤、甘みを最初に追加して、青を上から注いでマドラーでゆっくりと混ぜて中央に紫の層を作る。それが意外に難しい。本当は、黄色と緑の層も作りたかった。



「麻衣、化学実験しているみたいだね」



 確かにやっている事はそんな感じだ。私が化学実験と格闘している間に、嘉くんは、細かく切ったイチゴなどの、カラフルな果物と爽やかなレモンを追加した、上にミントの葉を飾って、綺麗なドリンクを作り上げていた。見た目も綺麗で美味しそうだ。そっちは、ちゃんと料理(?)している様に見える。私の方、化学実験だし。私の美味しそうに見えないのは何故だ?



「きらきらしていて、とても、綺麗ですね、もしかして、虹の色にしたかったとか?」

「そのつもりだったんですけど、難しいのでこれで。でも、綺麗に紫出せたんじゃないかな」

「そうですね。綺麗な『blend(ブレンド)』が出来ていると思います」

「あ、ありがとうございます」



 はは、私の曲になぞらえてくれた様で、レポーターさん、流石です。最後にブルーベリーとラズベリーを入れて完成です。このドリンクは選手さんと私たちで作ったのと三種類、期間限定で販売されるらしい。嘉くんと交換して味をみたけれど、ちゃんと美味しく出来ていて良かった。嘉くんのすごく出来が良くて、選手さんに褒められていた、あ、ちょっと照れている。


 前に地元でも同じ様な事したんだけど、あの時、一緒に出演していた芸人さん、かなりすごいドリンク作っていたのを思い出した。料理に関して、冒険せずに無難なものを作る身としては、あれは衝撃でした。あまりに酷いと食材に対して冒涜です、って言って農家出身としては、怒っていたかもしれない。でも、不思議と美味しかった。商品になるほどに。


 撮影は午前中で終わり、午後からは時間が取れそうだった。番組の人たちにお昼ご飯をご馳走になり、今日はこの後、少しだけ観光をして、嘉くんの実家に泊まって明日、東京に帰る予定です。遥くんへのお土産は何にしようかな。甘いもの一択の選択肢しかないかな。



 オリジナルドリンク作りは前にTVでやっていたのでネタに。麻衣は何事も冒険はしないタイプの人間です。

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