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レビューの星 ※あらすじのみ

作者: さわゆう

「いやー疲れだー」



 思わずぼやいてベッドにダイブ。奮発して5つ星のホテルにした甲斐があった。ふかふか具合が自宅のおんぼろベッドとは雲泥の差だ。





 上司から「東京の取引先へ直接出向いて値段の交渉をしてこい」と言われた時は内心大焦りだった。金沢から先輩に連れられて営業先を回ったことはあっても、まだ1人で取引先の会社へお邪魔したことはない。


 それなのに、金沢を出発して社内でも1,2を争う東京の大手取引先を訪問し、しかも取扱商品の卸売価格を下げてこいなんて「どうすりゃいいんだ」と思ったが、意外と何とかなるものだった。



 これもひとえに自身の交渉力のおかげ・・・と言いたいところだが、おそらく、いや十中八九そうではないだろう。先方の担当者の顔を初めて見た時に思った、自分は歓迎されていないと。



 度重なる不況の波に呑まれているのはどこの会社も同じこと。話の内容を察していたのだろう、いきなり販売部長と相対することになったのだから。



 当然値下げ交渉は難航する・・・かと思いきや、緊張のあまり自分が発した言葉で空気が一変した。




「それはでぎねーですよ」




「・・・おたく、もしかして南部の人?」



 そこから始まる地元トーク。元々小さな町だったこともあり、なんと小中高校まで同郷であることが判明してからは、分かり合うまでそう時間がかからなかった。



「値段交渉」と称して2人で飲み語り合ったのが、ついさっきまで。午後3時から飲み始めたから、移動時間も入れると6時間は飲んでいただろう。ベッド脇の時計が9時を指している。



 飲み疲れたが、「同郷同士助け合おう、若いもんを助けてやる」と言っていただき、値下げ交渉が成功したので、今回の出張の目的は9割方果たしたと言っていい。



 厄介なのは、残りの1割。本業ではない、副業の方だ。



 とりあえず、ベッドの沈み具合は完璧。それほどお腹は空いていないが、次はルームサービス、その次は大浴場を確認するか。


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