最終話【それぞれの幸せ】
彼女には絶対に幸せになってほしいと心から祈っていた。
しばらく経った頃、岡田さんが料理を持って私たちの家に訪れた。
すでに岡田さんは泣いていた。
話を聞くと、彼女が手料理を振舞ってくれたらしい。
そんなに成長したのだと本当に嬉しかった。
岡田さんは私たちのために彼女の作った料理を持ってきてくれた。
あまりに美味しくて私たちは泣きながら食べた。
味付けが私の作る料理の味付けと一緒で
私たちのことを覚えてくれているみたいで嬉しかった。
私たちは子供を諦めたくないと心から思い
真剣に養子を迎え入れることに決めた。
その結果、奏多という子を家族に迎え入れることが出来た。
新たな生活が始まって一年が経った頃、岡田さんから
嬉しい報告を受けた。
彼女が中学時代の好きな人と再会し、結婚することになったらしい。
やっと幸せになれるのだと夫と二人で泣いた。
岡田さんから結婚式に出ないかと提案を受けた。
悩みに悩んだ結果、今回もまた遠くから様子を見ると伝えた。
結婚式当日、彼女は本当に綺麗だった。
ウエディングドレスがよく似合う美人さんだった。
旦那さんもとても良い人そうで安心した。
立派な大人になっている彼女を見て泣いていると
彼女と旦那さんが近づいてきた。
まさかこっちに来るなんて思っていなかった私たちは驚いて固まっていた。
「お母さんお父さん…私、幸せになれたよ」
泣きながらそう話す彼女を見て私たちは泣きすぎて何も言えなかった。
旦那さんも
「有紀を保護してくれてありがとうございました。」
と言ってくれた。
驚きと喜びで何も言えずにいると有紀から
「岡田さんに聞いたんだ。外に見に来ているよって」
と教えられた。
どうやら岡田さんからのサプライズだったらしい。
またこうして大切な娘と話す機会をくれた岡田さんには感謝しかない。
そして未だに私たちを本当の親だと思ってくれている
有紀の優しさに涙が止まらなかった。
やっと後悔の念が取れた最高の一日だった。
それから彼女は定期的に私たちの家に遊びに来てくれた。
奏多とも仲良くしてくれて
奏多も「お姉ちゃん」と有紀に懐いていた。
やっと皆が幸せになれた。
これからも幸せな仲の良い家族でいようと思う。




